
南紀白浜温泉
Nanki-Shirahama Onsen紀伊半島南端の白砂のリゾート温泉。崎の湯は太平洋を眼下にする岩場の露天で知られる。
文献に名を残す海辺の湯
南紀白浜は、兵庫の有馬、愛媛の道後と並んで日本三古湯のひとつに数えられる温泉です。8世紀の『日本書紀』には、斉明天皇と中大兄皇子(のちの天智天皇)が斉明4年(658年)にこの湯へ行幸された記述が残り、『万葉集』にも古名の牟婁の湯(むろのゆ)=湯崎温泉として詠まれています。万葉の歌が伝える磯辺の七湯は湯崎七湯と総称され、現在まで残るのはただ一つ、崖縁に湧く崎の湯のみです。今日の「南紀白浜温泉」という呼称は、歴史ある湯と新しいリゾート泉源を一括する20世紀以降の総称ですが、その中核を貫く一筋として崎の湯は天皇行幸の時代から湯を絶やしていません。
太平洋に開けたリゾートと、海辺に並ぶ無料の湯
地形は山あいの湯治場ではなく、外洋に面した海岸線です。白良浜(しららはま)は約600メートルにわたる弧を描く真っ白な砂浜で、20世紀後半に侵食が進んだため、和歌山県は1989年からオーストラリア・パース産の石英砂を輸入し、約15年かけて浜を復元してきました。崎の湯そのものは波打ち際の岩盤に切り込まれた露天で、湯船の縁から数メートル下で波が砕けます。温泉街には海沿いの遊歩道に足湯が点在し、白良浜のほとりの**白砂(しらすな)**をはじめ、無料で湯に触れることができます。
湯のまわりで
源泉街から少し走れば、自然の浸食で月のような穴が開いた小さな島、円月島(えんげつとう)が浮かびます。春分・秋分の前後、その穴に沈む夕陽は和歌山屈指の絶景として知られています。町の南には太平洋に切り立つ三段壁(さんだんべき)の断崖が約50メートルの高さで連なり、エレベーターで降りれば、平安期に熊野水軍の隠れ家であったと伝わる海蝕洞窟に至ります。家族連れには、国内最多のジャイアントパンダの飼育繁殖で知られる動物園・サファリ・水族館の複合施設アドベンチャーワールドもあります。
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参考・出典
- 白浜温泉旅館協同組合 公式サイトofficial— 地元旅館組合運営。「白浜温泉」の総称、湯めぐり、海沿いの無料足湯スポットの情報源。
- 南紀白浜観光協会 源泉特集official— 公式観光ポータル。源泉、崎の湯、歴史ある湯崎七湯についての解説。
- 白浜町公式 崎の湯official— 町営の崎の湯に関する案内。営業時間、料金、『日本書紀』『万葉集』の牟婁温湯記述への言及。
- Shirahama, Wakayama, Wikipedia— 白浜町、白良浜、長期にわたるオーストラリア産白砂の補充事業についての基礎情報。
- 南紀白浜温泉 Wikipedia— 現在「南紀白浜温泉」として一括される諸湯の統合経緯、斉明4年(658年)行幸の記録。



















