
加賀温泉郷
Kaga Onsen-go石川県南部の四つの温泉地(山代・山中・粟津・片山津)からなる温泉郷。山中漆器の伝統で結ばれる。
前田家に庇護された四湯の連合
加賀温泉郷と呼ばれるのは単独の温泉地ではなく、山中・山代・ 片山津・粟津の四湯による連合です。小松市から福井県境にかけて 半径八キロほどの範囲に散らばり、それぞれが独立に開かれましたが、 いずれも千三百年を超える来歴と、加賀藩前田家による長い庇護 という二つの軸を共有しています。粟津は法師旅館に伝わる縁起に よれば、奈良時代の養老二年(718年)、高僧泰澄大師が開いた とされ、日本でも最古級の開湯記録を持ちます。山代は奈良時代の 僧行基が、湯に浸かって傷を癒す烏を見て発見したと伝えられ、 山中もまた鶴仙渓に沿って同じく長い由緒を持ちます。文学 史にもっとも名を残した来訪者は松尾芭蕉で、『奥の細道』の旅の 途中、山中に八泊し、その湯を生涯忘れがたい名湯のひとつに数えました。
四つの湯、それぞれの佇まい
半径八キロほどに収まりながら、四湯の表情はみごとに異なります。 山中温泉は大聖寺川の渓谷沿い、緑に包まれた上流に位置し、 春から秋にかけては川床が設えられます。山代温泉は明治期の 古総湯と総湯を中心とする湯の曲輪に町並みが整い、また 九谷焼再興の地でもあります。陶芸家にして美食家の 北大路魯山人は1915年にこの地に逗留し、いろは草庵に住んで 須田菁華から作陶を学びました。庵はいまも当時のたたずまいを 保っています。片山津温泉は柴山潟の湖畔に開け、湖面は一日 に七度色を変えると言い、十月下旬から三月初めにかけては コハクチョウが渡来して越冬します。粟津温泉は小松の内陸側、 四湯のなかでもっとも静かな温泉地で、同じ家族が四十六代にわたって 営み、ギネスにも世界最古級の宿として認定された法師を擁します。
いまの加賀へ
北陸新幹線の延伸は2024年3月16日に開業し、敦賀まで開通 すると同時に加賀温泉駅が新幹線停車駅となりました。これまで 特急の要であった駅から、東京までおよそ三時間。小松空港は 粟津のすぐ北にあり、羽田便と一部の国際線が発着します。各温泉地 は加賀温泉駅から送迎やバスで結ばれていますが、一度に複数の湯を 味わうなら車が最も身軽です。
地区
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近隣の温泉地
50km圏内近隣の温泉地は見つかりません。
参考・出典
- 加賀温泉郷 公式観光サイトofficial— 加賀市の公式観光サイト。四温泉郷としての位置づけと、北陸新幹線延伸後の交通アクセスに関する典拠。
- 加賀温泉郷 — Wikipedia— 「加賀四湯」として加賀市と小松市にまたがる温泉群の括り、および各湯の泉質に関する参照。
- 法師(粟津温泉)official— 養老二年(718年)開湯、四十六代続く家業、ギネスによる世界最古級宿泊施設認定の典拠。
- いろは草庵 — Visit Kagaofficial— 山代温泉における北大路魯山人の滞在(1915年、須田菁華に師事)の典拠。
- Hōshi Ryokan — Wikipedia(英語版)— 粟津温泉の開湯伝承および法師旅館の歴史に関する補足。