
川湯温泉
Kawayu Onsen阿寒摩周国立公園・硫黄山の麓に湧く強酸性硫黄泉。源泉が高温のまま町中の水路を流れる。
日本最大のカルデラの縁に開けた湯のまち
川湯温泉は弟子屈町に位置し、日本最大のカルデラ湖である 屈斜路湖の北縁、阿寒摩周国立公園のただ中にあります。 湯はどこか遠くから引いてくるものではなく、町の南二・五キロに そびえる活火山硫黄山(イオウザン)の地熱によって生まれます。 噴気孔は今なお黄色い結晶を吐き、黒い火山岩を白く曇らせています。 弟子屈の近代は、この硫黄山から始まりました。明治十年(1877) に採掘が開始され、明治期を通じて佐野孫右衛門・山田慎・安田善次郎へと 経営は移り変わります。硫黄を運ぶための道や鉄道が、のちの湯治客を 迎える基盤となりました。鉱山は昭和四十年代に幕を閉じています。 温泉街そのものは長らく旅館一軒のみという小さな存在でしたが、 **昭和九年(1934)**の阿寒国立公園指定を境に温泉地として育ち、 今日の姿に至りました。
川湯はまた、第四十八代横綱大鵬幸喜ゆかりの地でもあります。 少年期を弟子屈で過ごし、戦後角界に幾多の優勝記録を残した大横綱を 偲ぶ川湯相撲記念館が、町の一角に静かに佇んでいます。
道端を流れる硫黄泉
このまちの第一印象は、何よりも水そのものでしょう。pH一・六 から一・八ほどの強酸性、強い硫黄の香り、そしてあふれた湯が そのまま街路の側溝を流れる豊富さ。冬になれば道端の蒸気孔から 湯気が立ちのぼり、辻々には無料の足湯が湯気を上げています。 硫化水素のにおいは常時、湯の流れる音もまた常時。源泉かけ流しを 誇る宿も少なくありません。
季節は冬がよく似合います。屈斜路湖の岸辺は凍りつき、樹氷が湖畔を 縁取り、地熱で凍らずに残った水面にはオオハクチョウの群れが 越冬します。
まちの外へ
湖岸へ車で短く下れば、湖底から熱湯が湧き出す砂湯に至ります。 備え付けのスコップを借りて砂を掘れば、自分だけの足湯がほどなく 湧き上がります。硫黄山の山麓には整備された遊歩道がのび、噴気帯の すぐ脇まで近づくことができます。さらに東へ進めば、外輪山の向こうに 霧と透明度で名高い摩周湖が静かに横たわっています。
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50km圏内参考・出典
- 川湯温泉 公式サイト(弟子屈町)official— 摩周湖観光協会が運営する温泉街のポータル。宿、足湯、温泉街マップの一次資料として。
- 弟子屈なび — 川湯温泉official— 観光協会による解説。屈斜路カルデラと硫黄山に由来する強酸性硫黄泉の説明を参照。
- 川湯エコミュージアムセンターofficial— 環境省の阿寒摩周国立公園川湯地区ビジターセンター。硫黄山の登山道、噴気帯の地質情報を参照。
- 弟子屈町 — 硫黄山の歴史official— 明治10年(1877)に始まる硫黄山採掘、佐野孫右衛門・山田慎・安田善次郎への経営移行、明治29年休鉱までを記した町史。
- Japan-Guide — Kawayu Onsen— 昭和9年の阿寒国立公園指定以降の発展、町内の大鵬相撲記念館に関する補足。