三朝温泉
み さ さ お ん せ ん

三朝温泉

Misasa Onsen
鳥取県中国地方3施設

鳥取・三朝川沿いの温泉地。世界有数のラドン濃度を誇る放射能泉。

白狼が導いた湯

三朝温泉の起源は平安時代の末、今からおよそ850年前にさかのぼります。源氏の家臣大久保左衛門尉が霊山三徳山へ参詣する途中、年老いた一頭の白狼に出会いました。一度は弓を構えたものの、神仏の化身を殺めるを善しとせず、その命を許します。その夜、夢枕に妙見大菩薩が現れ、湧き出る湯のありかを告げました。今もその源泉は株湯と呼ばれ、町はその一滴のまわりに育ってきたのです。

その効能が全国に知られるのは大正期のことです。1915(大正4)年ごろの調査でラジウム含有量が世界有数と判明し、以来「不老長寿の湯」と称されてきました。岡山大学は現地に医学研究の拠点を置き続けており、今日の三朝医療センターでは、低線量ラドンによるホルミシス効果の臨床研究が長く重ねられています。

川辺の湯けむりと湯治の流儀

三朝の町は小さく、三徳川の細い谷に沿って木造の旅館が肩を寄せ合っています。象徴的な存在は、三朝橋の下、河原に湧く露天の河原風呂です。橋の上の人の目にもさらされたまま、二十四時間、無料で開かれる混浴の湯。町に古くから伝わる、ごく素朴な公衆浴の作法がいまもここに残っています。

湯そのものもまた、この土地に長く留まるべき理由を語ります。ほんのり放射能を帯び、冷めるにしたがって微量のラドンを放つ温く澄んだ湯は、もとより一週、ふた週と腰を据えて入るためのものでした。多くの温泉地で薄れてしまった湯治の文化が、三朝にはいまも息づいています。いくつかの旅館は週単位・月単位の長逗留に応じ、客はただ湯に浸かり、静かに食し、川沿いを歩いて過ごします。

谷の上の投入堂

町を見下ろす山中には、鳥取県唯一の国宝を擁する三徳山三佛寺があります。その奥院投入堂は、断崖の岩窟に懸け造りで嵌め込まれた小さな堂宇。木の根や鎖を頼りに登る険しい行場の道は二人以上での入山に限られ、三佛寺と三朝温泉は「六根清浄と六感治癒の地」として共に日本遺産に認定されています。

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参考・出典

  1. 三朝温泉観光協会 — 三朝温泉についてofficial約850年の歴史、白狼伝説、世界屈指のラジウム含有量について公式観光協会の解説。
  2. 日本遺産 三徳山 三朝温泉official「六根清浄と六感治癒の地」として三徳山と三朝温泉が共に日本遺産に認定された経緯。
  3. 日本政府観光局 — 三朝温泉official三徳川沿いの河原風呂と湯治文化の参考。
  4. 三朝温泉 — Wikipedia岡山大学病院三朝医療センターおよびラドンホルミシス研究の参照。
  5. 日本政府観光局 — 三徳山三佛寺official断崖に建つ国宝・投入堂についての参照。