
乳頭温泉郷
Nyūtō Onsen-kyo秋田・乳頭山の山麓に点在するブナ林の七湯。鶴の湯の乳白色の露天は象徴的。
乳頭山の懐に湧く七湯
乳頭温泉郷は、十和田八幡平国立公園の奥、乳頭山の西麓のブナ林の中に点在しています。一つの温泉街ではなく、それぞれが独自の源泉と一軒宿を構える七つの湯、すなわち鶴の湯、妙乃湯、孫六、黒湯、大釜、蟹場、そして休暇村乳頭温泉郷からなる温泉郷です。最古の鶴の湯は、寛永十五年(一六三八年)に秋田藩二代藩主佐竹義隆公が湯治のために来訪したと「鶴の湯由来記」に記され、現在も茅葺きのまま残る本陣はその折に警護の藩士が宿した建物として、二〇一〇年に国の登録有形文化財に指定されました。宿としての記録は一六八八年から連綿と続いています。鶴の湯という名は一七〇八年、勘助という名のマタギが傷ついた鶴の湯浴みするさまを見出したことに由来し、それ以前は田沢の湯と呼ばれていたと伝わります。
木の宿、雪、そして白濁の硫黄泉
乳頭温泉郷は今も湯治場の佇まいを色濃く残しています。鶴の湯の青みがかった白濁の露天風呂は男女混浴で、雪空のもとに湯気を立ちのぼらせる景は誰もが思い浮かべるところですが、湯はそれぞれに異なります。孫六の鉄分を含む透明湯、黒湯の濃い硫黄泉、妙乃湯の落ち着いたカルシウム・ナトリウム泉、と源泉ごとに肌触りが移ろいます。十二月から三月にかけては軒先まで雪が積もり、杉板の壁に立つ湯気こそが冬に人を呼ぶ景色です。宿泊客に頒布される木札の湯めぐり帖を持てば、七湯それぞれの内湯外湯を一度ずつめぐることができ、宿の間を結ぶ湯めぐり号にも乗ることができますので、二泊ほどあれば七湯を比べる旅も叶います。
雪が解けたあとに
雪の消える季節になりますと、宿の裏手の登山口が開きます。黒湯から乳頭山頂への往復はおおむね三時間ほど、稜線をさらに南へ辿れば、谷の入口の南に広がる日本一深い湖、田沢湖のカルデラ湖へと続いてゆきます。
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50km圏内参考・出典
- 乳頭温泉郷旅館組合 公式サイトofficial— 加盟七湯、湯めぐり帖、湯めぐり号の出典。
- 鶴の湯温泉 (秋田県) — ウィキペディア— 鶴の湯の沿革、1638年の佐竹義隆公来湯、本陣の由緒。
- Nyūtō Onsen — Wikipedia (English)— 十和田八幡平国立公園内の位置と七湯の整理。
- 仙北市 — 鶴の湯温泉— 登録有形文化財に指定された本陣についての行政情報。

