花巻温泉郷
は な ま き お ん せ ん き ょ う

花巻温泉郷

Hanamaki Onsen-kyo
岩手県東北地方12施設

宮沢賢治ゆかりの岩手県の温泉郷。豊沢川沿いに大沢・志戸平・鉛など十二の温泉地が連なる。

古い湯と若いリゾート

花巻温泉郷は、岩手県花巻市の西、豊沢川台川の上流に点々と連なる 湯のまちの総称です。大沢志戸平渡りといった 古い湯はいずれも平安から江戸初期にかけての来歴を持ち、なかでも大沢温泉は 平安初期、東征に赴いた坂上田村麻呂が発見したと伝えられる古湯。築二百 年を超える木造自炊棟「湯治屋」がいまも現役で、豊沢川のほとりには昔 ながらの混浴露天「大沢の湯」が湯気を立てています。

最も若いのが、大正十二(1923)年に金田一国士によって開かれた 花巻温泉そのもので、隣の台温泉から湯を引き、ホテル群や動物園、テニス コート、日本初のナイター式スキー場まで備えた「東北の宝塚」を掲げて 発展しました。花巻はまた、詩人にして童話作家、宮沢賢治(1896–1933) の故郷でもあります。賢治は信仰心の篤い父に伴われて少年期から大沢に通い、 農学校の教師時代には生徒を連れて再訪したと伝わります。

木造、畳、そしてバラ園

谷の表情は二つにくっきりと分かれます。大沢には、東北 の湯治文化を残した木造旅館と自炊部が今も息づき、pH9前後のアルカリ性単純 泉が肌をやわらかく包みます。鉛温泉「白猿の湯」は川底から自然湧出する立ち 湯として、日本一深い自噴岩風呂ともいわれます。一方、平野に近い大正期の リゾート地区は趣を変え、四つの大型ホテルが約五千坪のバラ園を囲んで 立ち並びます。1960年に開園したこの庭は、賢治自身が設計した南斜花壇の 跡地に拓かれ、約450種のバラが季節ごとに庭を染めます。

内陸性の冷涼な気候で、冬は谷に深く雪が積もり、山々の白は春の遅くまで 残ります。

イーハトーブのほとりで

花巻市は賢治の理想郷イーハトーブの文学的中心地です。丘の上の宮沢 賢治記念館、隣接するイーハトーブ館、母校跡地などが巡礼地として点在し、 南へ山を越えれば、柳田國男『遠野物語』の舞台となった遠野の里。岩手 の奥へ足を運ぶ旅人には、自然な寄り道となるでしょう。

地区

花巻温泉郷内の5地区
台温泉
Dai Onsen
4施設
花巻温泉
Hanamaki Onsen
2施設
鉛温泉
Namari Onsen
3施設
大沢温泉
Osawa Onsen
2施設
山の神温泉
Yamanokami Onsen
1施設

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参考・出典

  1. 花巻温泉【公式サイト】official大正十二年開湯のリゾート本体を運営。賢治設計の南斜花壇跡地に開かれたバラ園もこの会社が管轄しています。
  2. 花巻観光協会「花巻12湯」official花巻温泉郷を構成する十二の湯について、泉質とpHを一覧で示した公式案内。
  3. 大沢温泉 公式「歴史」official平安初期・坂上田村麻呂の発見伝説、江戸期の南部藩主湯治、宮沢賢治や高村光太郎との縁を伝える一次資料。
  4. ウィキペディア「花巻温泉」1923年(大正12年)金田一国士による創立、「東北の宝塚」構想、賢治の花壇跡に開かれた1960年のバラ園を裏付け。
  5. ホームメイト「花巻温泉・宮沢賢治」賢治と花巻の湯のかかわりを編集記事として整理した参考資料。