玉川温泉
た ま が わ お ん せ ん

玉川温泉

Tamagawa Onsen
秋田県東北地方2施設

日本一の強酸性泉(pH 1.05)と単一湧出量を誇る秋田の山あいの温泉。北投石のラドン岩盤浴で名高い。

焼山の麓、ブナ林の一本の噴出口

玉川温泉は秋田県内陸部、十和田八幡平国立公園の奥、焼山の山腹に位置します。源泉は延宝八年(1680年)に地元のマタギによって発見されたと伝えられますが、谷筋へのアクセスは長く険しく、最初の本格的な宿が建つのは1885年(明治18年)のことでした。湯は大噴(おおぶき)と呼ばれる一か所の噴出口から、98℃前後で毎分9,000リットルという単一源泉では日本一の湧出量で噴き出し、幅およそ三メートルの湯川となって谷を下ります。1959年(昭和34年)には国民保養温泉地に指定され、それ以来この地はひとつの役割に静かに収斂してゆきました。すなわち、数日から一週間以上を自炊棟で過ごし、決まった時間に湯に入る、典型的な湯治場としての顔です。

pH 1.2の湯と北投石

大噴の湯は日本随一の強酸性泉で、pHは約1.2、明治期には鉄管を溶かしたと記録されるほどの濃度を持ちます。現在の浴槽の多くは源泉を約十分の一に薄めて使い、別に「100%源泉」の小ぶりな槽が短時間入浴用に設けられています。湧出口の周囲の岩には、希少な放射性鉱物北投石(ほくとうせき)が層をなして付着しています。バリウムと鉛の硫酸塩に微量のラジウムを含むこの鉱物は、世界でも玉川と台湾・北投温泉の二か所にしか産せず、玉川産北投石は1922年(大正11年)に天然記念物、1952年(昭和27年)には特別天然記念物に指定されました。地獄地帯の木道脇に茣蓙を敷き、湯気の立つ温かい岩肌に身を横たえる露天の岩盤浴は、今日全国に広がった岩盤浴文化の本来の姿でもあります。低線量の放射線によるホルミシス効果を求めて、長期滞在する湯治客が絶えません。

新玉川温泉と八幡平

本玉から徒歩十分ほどの距離に、1998年(平成10年)開業の姉妹施設新玉川温泉があります。同じ大噴の湯を引き、より現代的で過ごしやすい棟を備えるため、本格的な自炊湯治には抵抗があるという客層も受け止めています。両宿の背後にはブナ林が八幡平の高原へとせり上がり、湿原や焼山の登山道が午後の散策圏内に開けています。

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参考・出典

  1. 玉川温泉 公式サイトofficialpH 1.2の源泉、浴槽構成、屋内外の岩盤浴に関する運営側の記述。
  2. 玉川温泉 (秋田県) — Wikipedia江戸時代の沿革、大噴の概要、1998年新玉川温泉開業など。
  3. 北投石 — Wikipedia1922年天然記念物指定、1952年特別天然記念物指定の経緯と、台湾北投温泉との二か所のみという産地性。
  4. 仙北市 — 玉川温泉の北投石・大噴・岩盤浴自治体による解説ページ。
  5. 旅東北 — 玉川温泉八幡平地域の観光案内と湯治場としての位置づけ。