ウトロ温泉
う と ろ お ん せ ん

ウトロ温泉

Utoro Onsen
北海道北海道地方6施設

世界自然遺産・知床の玄関口の温泉地。オホーツク海に面した塩化物泉。冬は宿の窓から流氷が望める。

地の果ての漁村に湧く湯

ウトロは知床半島の西の入り口、北海道北東部のオホーツク海沿岸に 位置しております。古くからアイヌの、のちに和人の小さな漁村であり、 地名そのものがアイヌ語のウトゥル・チ・クㇱ・イに由来し、「我ら 通り抜ける処」ほどの意とされております。半島の名「知床」もまた アイヌ語のシリエトク、すなわち「地の果て」を意味し、近代の集落が 形を成すよりはるか以前から、アイヌの人々が暮らしてきた半島の 呼び名であります。

湯のほうは、ずっと後の時代の産物であります。昭和四十年代後半の ボーリングによって海岸の塩分を多く含む源泉が掘り当てられ、 昭和四十六年(1971年)に温泉地として正式に開かれました。 平成十七年(2005年)、知床半島は流氷期のプランクトンから陸の 頂点捕食者にまで途切れぬ食物連鎖を有することからユネスコ世界 自然遺産に登録され、北半球で流氷が定常的に接岸する最南端として 評価されることとなりました。

流氷とオホーツク、そして塩のしずく

ウトロ温泉の泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉、わずかに鉄分を 帯び、半島を貫く休火山列の地熱に温められた湯であります。湯船の窓は オホーツク海に開かれ、二月から三月初旬にかけては、アムール川 流域から南下してきた流氷(りゅうひょう)が海面を埋め尽くします。 専門のガイドが氷の上を歩く流氷ウォークは、日本国内でこのウトロ だけが提供する冬の体験であります。

夏になれば、同じ港から知床五湖の遊歩道や国立公園の登山口へと 人々が向かいます。町のすぐ南には、幅八十メートルの双瀑オシン コシンの滝が国道沿いに落ち、その名はかつて川辺に群生していた エゾマツの林を指すアイヌ語に由来いたします。

沿岸クルーズとヒグマ

四月下旬から十月にかけては、ウトロ港から半島西岸の断崖沿いを 進む観光船が運航されております。小型船は岸辺近くまで寄ってルシャ 湾へと向かい、磯辺にはヒグマ(羆)の親子がしばしば姿を現します。 大型船はさらに先の知床岬を目指し、道の通わぬ岬まで三時間ほどの 航海となります。湯に戻れば、夕刻には窓の真正面にオホーツクの海へと 沈んでゆく夕陽が広がっております。

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参考・出典

  1. 知床斜里町観光協会 — 公式サイトofficial斜里町・ウトロ側の公式観光団体。宿泊施設、ウトロ港発の観光船、ビジターセンター情報の典拠。
  2. 知床国立公園(環境省)official国立公園としての指定、半島の生態系、西側の玄関口としてのウトロの位置づけ。
  3. ユネスコ世界遺産センター — 知床official二〇〇五年(平成十七年)の世界自然遺産登録、北半球で流氷が定常的に接岸する最南端としての評価の確認。
  4. Wikipedia — 知床半島アイヌ語「シリエトク(地の果て)」の語源、火山列としての地質、ヒグマの生息地に関する補足。
  5. Wikipedia — ウトロ温泉ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉という泉質、昭和四十六年(1971年)の開湯、湯量についての確認。