和倉温泉
わ く ら お ん せ ん

和倉温泉

Wakura Onsen
石川県中部地方5施設

能登半島の海辺に湧く1200年の歴史を持つ温泉。塩化物泉が高級旅館・加賀屋などを潤す。

海から立ちのぼった湯

和倉の歴史はおよそ1200年を数えますが、いま語り継がれている開湯 譚はやや時代が下り、永承年間(1046〜1053年)に始まります。地殻 変動によって源泉が沖合に移った折、漁師夫婦が白鷺が湯気の立つ海 面で傷を癒しているのを見つけ、ここを「湯の湧き出づる浦」と呼び、 やがて和倉の名となったと伝えられています。長らく湯は文字どおり 海中にあり、引き潮を待って舟で通ったといいます。1641年、加賀 藩第三代藩主前田利常の命により源泉が囲い込まれ、周辺の浅瀬が 埋め立てられて、人工島湯島と橋が築かれました。これによって温 泉は陸の上に固定され、加賀藩の庇護のもと、能登半島きっての保養地 として街並みが整っていきます。2024年1月の能登半島地震は和倉に 深い傷を残しました。共同浴場総湯は3月下旬に営業を再開し、旅館 も順を追って戻りつつあります。訪れる前に各館の状況をご確認くださ い。

塩の湯と七尾湾、そして加賀のもてなし

泉質は無色透明のナトリウム・カルシウム塩化物泉。塩分の濃さはかつ て製塩に使われたほどで、この強い塩気こそが和倉の湯の個性です。 湯あがりにも長く温もりが残り、芯から温まる感覚があります。温泉街 は七尾湾の南岸に沿って広がり、海の向こうには能登島が低く 横たわります。湾と島の朝の光に面した部屋を選びたいところです。 和倉の評判は湯と同じくらい食卓に支えられています。冬の寒鰤、穴水 の牡蠣、甘海老、鮑など能登の海の幸を中心に据えた本格的な 懐石、そして加賀屋(明治39年創業)が全国の規範にまで磨き 上げた加賀風のもてなしが、ここでの一夜の骨格となっています。

宿の外へ

短い橋を渡れば能登島で、震災で休館していたのとじま水族館は 2025年3月に営業を再開しました。輪島・曽々木・千枚田へと半島を北上 する海岸道路は本州屈指の景観路で、以前より静かで人が少ないぶん、 一日かけて走る価値があります。

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参考・出典

  1. 和倉温泉観光協会・和倉温泉旅館協同組合official公式観光協会。開湯伝説、「海の温泉」という位置づけ、震災後の復興方針の典拠。
  2. 和倉づくし — 和倉温泉についてofficial旅館組合公式の概説。開湯1200年と白鷺伝説の記述に基づく。
  3. 和倉温泉 — Wikipedia永承年間の海底湧出、1641年の前田利常による埋立、2024年地震後の営業再開状況の典拠。
  4. 加賀屋 — 歴史official明治39年(1906年)創業の老舗旅館。和倉のもてなしの近代史を辿る参照。
  5. Wakura Onsen — Wikipedia(英語版)泉質(塩化物泉・ナトリウム・カルシウム)と湧出量に関する参照。