湯田温泉
ゆ だ お ん せ ん

湯田温泉

Yuda Onsen
山口県中国地方0施設

山口市中心の温泉。白狐伝説の発祥地として知られるアルカリ性単純温泉。

傷ついた狐と、維新の客間

湯田温泉には二つの始まりの物語があります。古いほうは民話です。傷ついた一匹の白狐が夜ごと村のお寺の小さな池に降りてきて、痛めた足を浸していました。和尚が不思議に思って水をすくうと温かい。深く掘ってみると熱湯が湧き出し、その中から薬師如来の金像があらわれた、と伝わります。地元の伝承はこの出来事を室町時代の大内義興公の頃に置きますが、「湯田」の名は鎌倉期の周防阿弥陀寺文書にも現れ、文献上でおよそ800年の歴史を持つ古湯であることに変わりはありません。白狐は今もこの町の象徴で、街角には白狐像が立ち、マスコットの**「ゆうた」「ゆうこ」は催事ごとに姿を見せ、毎年五月の白狐まつり**ではその伝説が装束行列として再現されます。

もう一つの始まりは政治の物語です。幕末の湯田は長州藩の只中にあり、温泉旅籠はそのまま明治維新の応接間として機能しました。木戸孝允伊藤博文高杉晋作井上馨、さらには薩摩・土佐から訪れた西郷隆盛坂本龍馬らの名が、当地の宿に客人として残されています。1860年に普請された**「維新の湯」**は松田屋ホテルに今も残り、宿泊客であれば実際に湯を使うことができます。

街なかに湧くアルカリ単純泉

湯はやわらかい。無色透明、肌に馴染むぬめりのあるアルカリ性単純温泉で、組合の案内によれば、毎日およそ2,000トンの湯を七つの源泉から汲み上げる、西日本でも有数の湯量を誇る源泉群です。湯温は42度を上回り、肌当たりの良さから美人の湯として紹介されることもあります。

温泉地としての湯田を独特にしているのは、その立地です。深い谷もなく、峠も鎮守の杜もありません。湯田の街は山口市の市街地そのもののなかにあり、新山口駅から在来線で数分。中心街は実際に歩いて巡れる距離にまとまっており、通り沿いには無料の足湯、飲泉所、白狐の彫像が点在し、日が暮れると中心街は灯籠に仕立てられた狐のモチーフでライトアップされます。

湯田からの足

湯田からは、かつて山口を**「西の京」と呼ばせた大内文化の遺産が徒歩や短いバスで結ばれます。瑠璃光寺五重塔は1442年の建立で、日本三名塔の一つに数えられ、国宝に指定されています。大内文化の盛時を伝える数少ない遺構です。少し足を延ばせば、カルスト台地の秋吉台と鍾乳洞秋芳洞**も日帰り圏内。湯田温泉は、街角ごとに狐の佇む、静かな街なかの湯どころとして、その滞在を支えてくれます。

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参考・出典

  1. 湯田温泉旅館協同組合 公式サイトofficial湯田温泉旅館協同組合の公式ポータル。加盟旅館、足湯、「湯田温泉こんこんパーク」、マスコット「ゆうた」「ゆうこ」の情報源。
  2. 湯田温泉の歴史 公式ページofficial大内義興公の時代に遡る白狐伝説、鎌倉期の周防阿弥陀寺文書に残る記録、幕末の維新志士たちが集った旅籠について。
  3. ANA:山口県が誇る白狐がみつけた湯田温泉白狐伝説、アルカリ性単純温泉、街なか温泉地としての位置づけに関する平易な紹介。
  4. Good Luck Trip:湯田温泉七つの源泉、毎日約2,000トンの湧出量、街道沿いに点在する足湯についての参考資料。
  5. 湯田温泉白狐まつり Wikipedia毎年5月に開催される白狐まつりに関する背景情報。