温泉施設の種類

銭湯、旅館、スーパー銭湯。それぞれ何がどう違うのか

温泉、銭湯、旅館。この3つがごちゃ混ぜになりやすいのは、別々の質問に答える言葉だからです。分けて考えると、一気にすっきりします。

お湯は何?

「温泉」はお湯そのものについての法律上の区分です。地中から湧き出したお湯で、温度か成分の条件を満たすもの。それ以外は沸かし湯です。施設の造りとは関係ありません。

どんな場所?

ふらっと寄る町の銭湯、泊まる宿、浴槽が10個ある大型施設、川原に湯だまりを整えただけの野湯。お湯の種類とは関係ありません。

この2つは自由に組み合わさります。素っ気ないビジネスホテルの最上階に本物の源泉が引かれていることもあれば、山あいの立派な旅館が沸かし湯ということもある。町の銭湯が自前の源泉を持っていることも珍しくありません。「銭湯」は営業許可と料金の区分であって、蛇口から何が出るかを指す言葉ではないのです。

まずはお湯の話

「温泉」は法律上の呼び名で、思っているより範囲がはっきりしています

温泉

地中から湧き出したときに25℃以上あるか、決められた成分が一定量以上含まれていれば温泉です。どちらか一方で足ります。だから本物の温泉でもぬるいことがありますし、冷たい鉱泉も温泉に入ります。

沸かし湯

源泉を持たない、水道水を沸かしたお湯。劣るという話ではなく別物です — 沸かし湯でも、コーヒー1杯分の値段で入れる良い浴場は日本で最高のお風呂のひとつ。ただ温泉ではありません。

掛け流し

同じ温泉でも、お湯の扱い方は施設ごとに違います。浴槽を通って一度きりで流れ出ていく掛け流しもあれば、ろ過して循環させたり、加温・加水・塩素消毒をしていることもある。脱衣所のそばに掲示している施設もありますし、分かる範囲で各ページにも記録しています。

日帰りで行く場所

タオルを持って行って、その日のうちに帰る

サイト内で見る:公衆浴場温浴施設

銭湯

せんとう

町の公衆浴場。入口で決まった料金を払って、洗って、浸かって、帰る。地元の日常です。

  • 料金の上限は経営者ではなく都道府県が決めます。大人でおよそ400〜600円、同じ地域ならほとんど変わりません。
  • 「銭湯」は営業許可の区分で、お湯の種類ではありません。水道水を沸かすところが多い一方、自前の源泉を持つ温泉銭湯もかなりあります。東京の東側や九州には珍しくありません。
  • 石鹸とタオルは持参するか番台で。備え付けとは限りません。
  • 温泉地の共同浴場・外湯も仕組みは同じですが、地元の運営で料金箱だけのことも多く、ほぼ源泉です。

スーパー銭湯

銭湯の発想を大きくした、大型の日帰り入浴施設。浴槽をいくつも並べ、サウナも食事処も休憩スペースも。

  • 料金統制の対象外なので、だいたい800〜3,000円。施設や曜日、サウナ別料金かどうかで幅があります。
  • 半日過ごす前提の造り。内湯と露天、サウナ、水風呂、レストラン、リクライニングチェアの休憩室。
  • 自前の源泉を持つところも多く、スーパー銭湯が温泉であることは普通にあります。名前ではなく掲示を。

泊まる場所

お風呂に布団が付いてきて、たいてい夕食も

サイト内で見る:宿泊施設

旅館

りょかん

畳の部屋に布団、夕食と朝食が付いて、たいていお風呂が目当て。日本の伝統的な宿です。

  • 料金は1人あたりで2食込みが基本。ホテルの部屋代と並べると高く見えますが、夕食の分だと気づくと納得します。
  • 男湯と女湯が夜のうちに入れ替わることが多く、どちらも入れます。
  • 日帰り入浴を受け入れているところも多くあります。

観光ホテル

かんこうホテル

大規模なリゾートホテル。旅館と同じ考え方を、数百室の規模で。

  • 大浴場、バイキングの夕食、お土産フロア、カラオケ。団体や家族向けの造りです。
  • 部屋は和室・洋室・和洋室とさまざま、建物は1970〜90年代の鉄筋が多い。
  • 直前でも予約が取りやすく、予約なしの日帰り入浴も比較的すんなり。

民宿

みんしゅく

家族経営の小さな宿。旅館より簡素で安く、実際に誰かの家であることも珍しくありません。

  • 部屋数はわずか、家庭料理、水回りは共同。お風呂は家族風呂ひとつを時間で使うことも。
  • 小さな温泉集落や野湯の近くでは、唯一の宿であることも多い。
  • 現金のみもまだ多く、チェックイン時間は厳密め。夕食を作って待っています。

大浴場付きビジネスホテル

ビジネスホテル

素っ気ない安価な街のホテルに、最上階か地下の大浴場が付いているもの。

  • 自前の源泉を掘っているチェーンもあり、本物の温泉の上で眠るいちばん安い方法になり得ます。
  • コンパクトなシングル、朝食以外は付かない、駅から徒歩圏。
  • 旅館と違って、お風呂は宿泊者専用が基本です。

特別なもの

型から外れたお風呂 — 建物がない、脱がない、あるいはお風呂が主役ではない

サイト内で見る:野湯足湯

野湯

のゆ

建物らしいものがほとんどないまま湧いているお湯。川原、海辺、山の窪地。

  • 無料か、柱に付いた料金箱だけ。管理人もロッカーも、脱衣所すらないことも。
  • 天候と季節で状態が変わり、大雨のあとに跡形もなく流されるものもあります。
  • 基本は混浴で、湯浴み着の扱いは場所ごとに違います。そのつもりで行って、ゴミは持ち帰りを。

足湯・手湯・顔湯

あしゆ・てゆ・かおゆ

体の一部だけ浸ける、浅い公共の温泉。たいてい無料で、道端にあります。

  • 定番は足湯。温泉街には手湯もありますし、蒸気に顔を当てる顔湯があるところも。
  • 脱ぐのは靴下だけ。脱衣所を探す必要もありません。
  • タオルはほぼ用意がないので、小さいものを持っていくと安心です。

泊まらなくても入れます

いちばん役に立つ話。泊まる人のための施設だと思っている場所の多くが、昼間はお風呂だけの利用を受け入れています。旅館も観光ホテルも山の宿もやっていて、だいたい昼前から午後の半ばまで、数百円から1,500円ほど。予約なしで行って聞けば入れることがほとんどです。

探す言葉は「日帰り入浴」。「立ち寄り湯」「外来入浴」と書かれていることもあります。受け入れている施設は、時間と料金を各ページに載せています。

よくある疑問

銭湯は温泉?

温泉のこともあり、そもそも対義語ではありません。「銭湯」は営業許可と料金の区分、「温泉」はお湯の区分です。水道水を沸かすところが多数派ですが、源泉の上に建っていて両方を兼ねるところもかなりあります。東京の東側や九州には珍しくありません。入口の掲示で分かります。

泊まらずに旅館のお風呂に入れる?

入れることが多いです。「日帰り入浴」を探して、午後の早い時間に行くのが確実。混雑日や繁忙期は断られることもあり、そもそも受け付けない宿もあるので、遠出するなら電話で一本確認を。

銭湯とスーパー銭湯は結局どう違う?

料金統制と規模です。銭湯は法律上「一般公衆浴場」で料金に上限があり、浴槽はひとつかふたつ。スーパー銭湯は対象外なので、浴槽を10個作ってサウナと食事処を備え、その分の料金を取れます。片方はさっと安く、もう片方はだらだら半日。

次に読む

出典

  1. Ministry of the Environment, “Definition of Hot Springs” (温泉の定義, Japanese)officialThe Hot Spring Law criteria: 25°C at the source, or the listed dissolved components.
  2. Ministry of Health, Labour and Welfare, Public Bath Houses Act overview (公衆浴場法, Japanese)officialThe split between price-regulated ordinary bathhouses and everything else.
  3. Tokyo Sento Association (東京都浴場組合)officialCurrent regulated bathing fees, which each prefecture sets and revises.