
何がどの順番で起きるのか、そして本当に大事なルールだけ
ここに住んでいる人にも、旅行で来た人にも、温泉の一時間は日本で過ごせる時間のなかでかなり贅沢なほうだと思います。しかも思っているよりずっと手軽です。予約もいらない、持ち物もいらない、会員登録もいらない。値段も、行ったことのない人が想像するよりだいぶ安いはずです。ルールもそれほど多くありません。このページで全部ご紹介します。
山の宿や由緒ある古い銭湯は、いったん後回しにしましょう。まずはスーパー銭湯です。街なかにある大きな日帰り入浴施設、家族が日曜の午後に出かけていくような場所。予備知識なしでふらっと入るなら、これがいちばんラクで、つまずくところがいちばん少ない選択です。

ふらっと行けばいい
予約も電話も、決まった到着時刻もありません。入って、浸かって、好きなときに帰るだけ。朝から夜遅くまで開いているところがほとんどです。
全部そろっている
手ぶらで大丈夫です。タオルも石けんもシャンプーも、受付か自販機にあります。大きいところなら館内着まで貸してくれます。
誰もあなたを気にしない
湯船が八つも十もあって、サウナがあって、休憩スペースがあって、人が一日中出入りしています。勝手がわからず歩きまわっていても、まったく目立ちません。
カタログには日帰り入浴施設がたくさん載っています。 近くの一軒を地図で探す
山の宿も、古い木造の共同浴場も、もちろん素晴らしい場所です。そちらはなくなりませんから、二回目以降に取っておきましょう。 スーパー銭湯とは何か、銭湯とどう違うのか

入ってすぐのところに一段上がった床と、小さな下足箱が並んでいます。靴を入れて、鍵は自分で持ちます。その段から先は、みんなが裸足で歩く床です。どこが境目かわからなければ、ほかの人の靴がどこで止まっているかを見てください。

昔ながらのところは、券売機か受付で入るときに定額を払います。最近は入館時にリストバンドを渡されるところも増えました。館内ではお金を持ち歩かず、飲みものも食事もロッカーもリストバンドで通して、帰りに精算機でまとめて払う仕組みです。どちらにしても入館料は定額なので、残高を気にしながら使うようなものではありません。

入口がふたつ、のれんがふたつ。決め手になるのは書かれている字だけです。青が男湯、赤が女湯というのはよくある習慣で、決まりではありません。
男
男性
女
女性
「男湯」「女湯」と書かれていることもありますし、まれに「殿」「姫」の場合もあります。どちらにしても同じふたつの入口です。

服も、スマホも、時計も、コンタクトもロッカーへ。水着も下着も短パンもなしです。水着のまま入ろうとすると、さすがに止められます。眼鏡はかけたままでもかまいませんが、たぶん曇ります。

たいてい大小二枚になります。大きいほうはロッカーで留守番、最後に自分を待っていてくれます。浴室に持って入るのは小さいほう、フェイスタオルくらいの一枚だけです。中では三つの役に立ちます。体を洗うのに使えますし、顔の汗を拭けますし、湯船のあいだを移動するときに軽く体を隠すこともできます。いちばん大事な出番は、いちばん最後、上がるときです。

低い椅子に座って、しっかり泡立てて、泡が残らないように流します。いちばん守ってほしいルールです。湯船は浸かるところであって、体を洗うところではありません。

入る前に湯船のお湯を桶で肩や足にかけておくと、体が熱さに慣れます。そのままそっと入りましょう。小さいタオルは頭にたたんで載せるか、縁の岩に置いておきます。あとはゆっくりくつろぐだけです。これが目当てだったはずです。

ここが小さいタオルの本領です。浴室を出る前に絞って体を拭いておくと、脱衣所の床が濡れません。最後にシャワーで流さない人が多いのは、温泉の成分が出たあとも肌ではたらいてくれるからです。ただし肌の弱い人や、酸性の強い湯・硫黄の強い湯では、流したほうがいいこともあります。あとは着替えて、少し座っていきましょう。みんなが休憩スペースにいるのには理由があります。急いで建物を出ることはありません。
流れの中の手順ではないので、番号はついていません。最後のひとつは、家を出る前から始まっています。

ロッカーに置いていきましょう。みんな裸でいる場所です。カメラを持ち込むのは、出ていってくださいと言われるいちばんの近道です。

泳ぐのも、飛び込むのも、もぐるのも、水しぶきもなしです。まわりの人はたいてい目を閉じてじっとしています。それがその場の音量だと思ってください。

髪が湯に入るのは、タオルが湯に入るのと同じことです。入る前にお団子にするか、クリップで留めるか、小さいタオルで包んでしまいましょう。忘れても、たいていフロントでヘアゴムを売っています。

熱があるとき、お腹をこわしているときは家で休んでください。お酒を飲んだあとも絶対にやめましょう。酔っている人の入館を断る施設は多いですし、熱いお湯とお酒の組み合わせは日本の入浴事故のいちばんの原因です。女性は生理中の公衆浴場を控えるのが一般的です。それから、高齢の方、妊娠中の方、血圧や心臓に不安のある方は、42℃を超える熱い湯は避けて、肩まで浸からないようにと案内されています。
ここだけは、上の話が裏目に出ます。スーパー銭湯はタトゥーに寛容でないことがほとんどで、多くはお断りしています。町の銭湯や山あいの旅館のほうが、ずっとおおらかです。行く前にその施設を確かめるか、小さいものなら防水シールで隠すか、貸切風呂を予約してこの問題ごと避けてしまうのが確実です。
本当に全部脱ぐの?
普通の内湯ならそうです。水着は使えませんし、小さいタオルも湯には入れません。ここがいちばんの心配どころですが、入って九十秒もすればどうでもよくなります。やってみるまで誰も信じてくれない話ですが。誰も見ていませんし、そもそも湯気であまり見えません。それでも気になるなら、貸切風呂なら同じお湯に、鍵のかかる扉の中で入れます。
どのくらい入っていればいいの?
二つの質問がまざっています。ひと続きで湯に浸かるのは十分くらいが目安と言われますし、体のほうが教えてくれます。額に汗がにじんできたら、いったん十分です。ただ、ひとつの湯船に座りっぱなしで過ごす人はほとんどいません。スーパー銭湯での一、二時間はぐるぐる回るものです。浸かって、縁や椅子で涼んで、サウナに入って、水風呂に入って、また浸かる。上がるたびに水分をとってください。分数を数えている人はいません。
外国から来た友だちを連れて行っても大丈夫?
大丈夫です。流れは見ればわかるので、前の人のまねをしてもらえば通じます。大きい施設なら受付に英語の案内が置いてあることも多いです。気をつけるのはタトゥーくらいで、そこだけは行く前に確認しておくと安心です。
首都圏で行きやすい日帰り入浴施設を。手軽なチェーン店から、温泉地の本格派まで。
ほかの地域なら? 知っているかぎりの日帰り入浴施設を地図に載せています
JR・東急・りんかい線の大井町駅から徒歩2〜3分にある駅近の日帰り入浴施設です。露天風呂には温泉成分を再現した人工温泉を導入し、高濃度炭酸泉や絹の湯、各種ジェットバス、キングスサウナや漢方蒸風呂を備えています。プロジェクションマッピングを用いた岩盤浴「炎の間」でロウリュウ体験ができます。お食事処「天風」やボディケア・あかすり・エステも利用できます。
溝口温泉喜楽里は神奈川県川崎市高津区にある日帰り入浴施設で、ナトリウム炭酸水素塩泉(重曹泉)の天然温泉を楽しめる。露天風呂には源泉かけ流しの「上の湯」と源泉加温循環式の「下の湯」、寝ころび湯を備え、内湯には高濃度炭酸泉・シルク風呂・ジェットバスなど多彩な浴槽がそろう。高温サウナと塩サウナ、岩盤浴(フリータイム制)も設置。当施設は中学生以上を対象としており、小学生以下の入館は不可。