塩塩化物泉ナトリウム温泉 · +炭酸水素塩泉
ナトリウムを軸とする塩化物泉で、炭酸水素塩のまろやかさを併せ持つ湯。掲示された成分表ではナトリウムイオンが陽イオンの大半を占め、塩化物イオンが陰イオンの中心となる。pHや泉温、泉質名の記載がない成分表のみの掲示のため、性状の詳細は確認できない。
こんな効能
温まり
塩分が肌に膜をつくって熱の逃げを抑えるので、湯あがりの温かさが長く続きます(いわゆる熱の湯)。
冷え性に
美肌
炭酸水素塩とアルカリ性が古い角質をやわらげ、メタけい酸がうるおいを与えてなめらかに。美人の湯と呼ばれる所以です。
乾燥・カサつきに
きず
塩化物・硫酸塩・硫黄を含むミネラル豊富な湯は、軽い切り傷や治りにくい肌に古くから良いとされます。
軽い切り傷に
疲労回復
温熱と浮力がストレス指標を下げ睡眠を改善。習慣的な入浴はうつの低さと関連します。
疲れ・ストレスに
成分(全項目)
バーは各イオンのミリ価%(その組内での電荷の割合)。20%以上が泉質名になります。ガス・けい酸・微量金属は重量のみで表示。
陽イオンミリ価%
- ナトリウム塩のもとになる陽イオン。塩化物と組んで塩味の湯にNa⁺1,042mgP86 全国97%
- カルシウム落ち着いた肌当たり。白い湯の花を残すこともCa²⁺32.5mgP48 全国3%
- カリウム微量。飲用の制限に関わるK⁺1.0mgP14 全国
- マグネシウムおだやか。飲むと緩下作用Mg²⁺0.09mgP7 全国
- アルミニウム酸性の火山性の湯に現れるAl³⁺< —mg
- FeTotalFe< —mg
- マンガン微量。含鉄泉によく伴うMn²⁺< —mg
陰イオンミリ価%
- 塩化物食塩の陰イオン。肌を包んで保温(熱の湯)Cl⁻100mgP40 全国
- 炭酸水素塩重曹成分。肌をなめらかに(美肌)HCO₃⁻38.7mgP23 全国
- 炭酸塩強アルカリ性。ぬるっとした浴感CO₃²⁻25.4mgP77 全国
- フッ化物微量。飲用に制限ありF⁻17.0mgP98 全国
- 硫酸塩石膏・芒硝。血管をひらき、きずにSO₄²⁻11.0mgP22 全国
- BO2BO₂⁻5.4mgP83 全国
- 硫化水素硫黄の性格。抗菌的HS⁻0.30mgP47 全国
- 硝酸塩NO₃⁻< —mg
非解離成分重量で表示
- メタけい酸メタけい酸。天然の保湿成分でしっとりH₂SiO₃66.7mgP42 全国
溶存ガス重量で表示
- 遊離二酸化炭素炭酸。血管をひらく(1000mg/kg以上で顕著)CO₂< 4.0mg
- 遊離硫化水素卵のような匂い。血管拡張・抗菌H₂S< —mg
根拠
- Maeda M. 温泉の医学的効果とその科学的根拠. J. Hot Spring Science 70:197–207, 2021.
- Kario K et al. Hemodynamic Effects of Hot Spring Bathing. Hypertension Research 46(3):711–720, 2023.
- Naito Y et al. A Hot-Spring Water Improves Inflammatory Conditions in an Atopic Dermatitis Model. Biomedicines 13(11):2707, 2025.
- Li H et al. Bicarbonate Ionized Water Bathing Enhances Natural Killer Cell Activity. Scientific Reports 14:51851, 2024.
- Takeda M et al. Hot spring bathing practices have a positive effect on mental health in Japan. Heliyon 9(9):e19631, 2023.