塩塩化物泉ナトリウム−塩化物温泉
ナトリウム-塩化物強塩温泉。源泉温度27.5℃の低温泉で動力揚湯、湧出地では黄褐色に濁り、鉄錆臭と強い塩味を帯びる。総溶存物質32,209 mg/kgと海水を上回る高張性で、湯上がりも厚い塩のヴェールが残る。メタほう酸が880.5 mg/kgと多く、ホウ素由来の保温感も加わる。
こんな効能
温まり
塩分が肌に膜をつくって熱の逃げを抑えるので、湯あがりの温かさが長く続きます(いわゆる熱の湯)。
冷え性に
分析書記載:冷え性
きず
塩化物・硫酸塩・硫黄を含むミネラル豊富な湯は、軽い切り傷や治りにくい肌に古くから良いとされます。
軽い切り傷に
分析書記載:きりきず
疲労回復
温熱と浮力がストレス指標を下げ睡眠を改善。習慣的な入浴はうつの低さと関連します。
疲れ・ストレスに
分析書記載:うつ状態
注意
禁忌症
- 病気の活動期(特に熱のあるとき)
- 活動性の結核
- 進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合
- 少量の運動でも息切れがするような重い心臓又は肺の病気
- むくみのあるような重い腎臓の病気
- 消化管出血
- 目に見える出血があるとき
- 慢性の病気の急性増悪期
成分(全項目)
バーは各イオンのミリ価%(その組内での電荷の割合)。20%以上が泉質名になります。ガス・けい酸・微量金属は重量のみで表示。
陽イオンミリ価%
- ナトリウム塩のもとになる陽イオン。塩化物と組んで塩味の湯にNa⁺10,230mgP99 全国78%
- カルシウム落ち着いた肌当たり。白い湯の花を残すこともCa²⁺1,306mgP96 全国11%
- マグネシウムおだやか。飲むと緩下作用Mg²⁺736mgP99 全国11%
- カリウムK⁺64.7mgP88 全国0.3%
- FeTotalFe13.1mgP90 全国0.1%
- マンガンMn²⁺0.40mgP59 全国0.0%
- アルミニウム酸性の火山性の湯に現れるAl³⁺< —mg
- 銅Cu²⁺< —mg
- 水素湯を酸性に。さっぱり・殺菌的H⁺< —mg
陰イオンミリ価%
- 塩化物食塩の陰イオン。肌を包んで保温(熱の湯)Cl⁻18,340mgP99 全国98%
- 硫酸塩石膏・芒硝。血管をひらき、きずにSO₄²⁻324mgP75 全国1%
- 炭酸水素塩HCO₃⁻224mgP59 全国0.7%
- 臭化物Br⁻70.3mgP100 全国0.2%
- ヨウ化物I⁻3.3mgP91 全国0.0%
- フッ化物F⁻0.50mgP32 全国0.0%
- 硫化水素硫黄の性格。抗菌的HS⁻0.40mgP52 全国
- BO2BO₂⁻< —mg
- 炭酸塩強アルカリ性。ぬるっとした浴感CO₃²⁻< —mg
- HSiO3HSiO₃⁻< —mg
- 水酸化物OH⁻< —mg
- チオ硫酸酸化した硫黄S₂O₃²⁻< —mg
非解離成分重量で表示
- メタほう酸メタほう酸。弱い抗菌作用HBO₂881mgP100 全国
- メタけい酸メタけい酸。天然の保湿成分でしっとりH₂SiO₃15.2mgP2 全国
溶存ガス重量で表示
- 遊離二酸化炭素炭酸。血管をひらく(1000mg/kg以上で顕著)CO₂113mgP81 全国
- 遊離硫化水素卵のような匂い。血管拡張・抗菌H₂S0.20mgP68 全国
微量成分重量で表示
- 総砒素As< —mg
- カドミウムCd< —mg
- 総水銀有毒微量。飲用安全の確認項目Hg< —mg
- 鉛Pb< —mg
源泉での測定
pH
7.40
中性
源泉温度
27.5°C
低温泉
浸透圧
32.21g/kg
高張性
遊離CO₂
113mg/kg
低
遊離H₂S
0.20mg/kg
低
分析書より
- 末梢循環障害
- 皮膚乾燥症
根拠
- Maeda M. 温泉の医学的効果とその科学的根拠. J. Hot Spring Science 70:197–207, 2021.
- Kario K et al. Hemodynamic Effects of Hot Spring Bathing. Hypertension Research 46(3):711–720, 2023.
- Naito Y et al. A Hot-Spring Water Improves Inflammatory Conditions in an Atopic Dermatitis Model. Biomedicines 13(11):2707, 2025.
- Takeda M et al. Hot spring bathing practices have a positive effect on mental health in Japan. Heliyon 9(9):e19631, 2023.