塩塩化物泉ナトリウム−塩化物温泉
ナトリウムを軸とする塩化物泉で、海水よりは薄いものの塩味のある保温性の高い湯。アルカリ性で肌当たりはやさしく、いわゆる「美肌の湯」の系統に入る。湧出時はわずかに鉄味があり、淡い黄褐色を帯びる適度なミネラルを含む湯ごたえのある一杯。
こんな効能
温まり
塩分が肌に膜をつくって熱の逃げを抑えるので、湯あがりの温かさが長く続きます(いわゆる熱の湯)。
冷え性に
美肌
炭酸水素塩とアルカリ性が古い角質をやわらげ、メタけい酸がうるおいを与えてなめらかに。美人の湯と呼ばれる所以です。
乾燥・カサつきに
きず
塩化物・硫酸塩・硫黄を含むミネラル豊富な湯は、軽い切り傷や治りにくい肌に古くから良いとされます。
軽い切り傷に
疲労回復
温熱と浮力がストレス指標を下げ睡眠を改善。習慣的な入浴はうつの低さと関連します。
疲れ・ストレスに
成分(全項目)
バーは各イオンのミリ価%(その組内での電荷の割合)。20%以上が泉質名になります。ガス・けい酸・微量金属は重量のみで表示。
陽イオンミリ価%
- ナトリウム塩のもとになる陽イオン。塩化物と組んで塩味の湯にNa⁺1,100mgP86 全国93%
陰イオンミリ価%
- 塩化物食塩の陰イオン。肌を包んで保温(熱の湯)Cl⁻1,510mgP84 全国83%
- フッ化物微量。飲用に制限ありF⁻9.5mgP90 全国
非解離成分重量で表示
- メタほう酸メタほう酸。弱い抗菌作用HBO₂71.5mgP93 全国
- メタけい酸メタけい酸。天然の保湿成分でしっとりH₂SiO₃25.0mgP9 全国
源泉での測定
源泉温度
36.0°C
温泉
浸透圧
3.31g/kg
低張性
根拠
- Maeda M. 温泉の医学的効果とその科学的根拠. J. Hot Spring Science 70:197–207, 2021.
- Kario K et al. Hemodynamic Effects of Hot Spring Bathing. Hypertension Research 46(3):711–720, 2023.
- Naito Y et al. A Hot-Spring Water Improves Inflammatory Conditions in an Atopic Dermatitis Model. Biomedicines 13(11):2707, 2025.
- Li H et al. Bicarbonate Ionized Water Bathing Enhances Natural Killer Cell Activity. Scientific Reports 14:51851, 2024.
- Takeda M et al. Hot spring bathing practices have a positive effect on mental health in Japan. Heliyon 9(9):e19631, 2023.