指宿温泉
い ぶ す き お ん せ ん

指宿温泉

Ibusuki Onsen
鹿児島県九州・沖縄地方14施設

薩摩半島南端の砂蒸し温泉。海辺の地熱で温められた砂に身を埋める入浴法で名高い。

摺ヶ浜、三百年の砂湯治

砂むし湯治の記録は、**元禄16年(1703)**にすでに摺ヶ浜で確認されています。**天保14年(1843)**に編纂された薩摩・大隅・日向の大地誌『三国名勝図会』にも、その効能とともに紹介されました。さらに遡れば、フランシスコ・ザビエル来日に先立って薩摩を視察したポルトガル人ジョルジュ・アルバレスが「砂に掘って横たわっている」と書き残しており、これは現在の砂むしそのものを思わせる、500年前の記述です。

以来、指宿の砂は薬として扱われてきました。昭和27年(1952)には年間9,700人ほどだった湯治客が、**平成8年(1996)に摺ヶ浜の砂むし会館「砂楽」**が開館して以降は年間約27万人を数えるまでに増えています。鹿児島大学の研究では、砂から立ち上る蒸気の吸入によって、通常の温泉浴よりも血流改善効果が高いことが報告されています。

砂に埋もれるという入浴

館内で薄手の浴衣に着替え、波打ち際の砂浜へ歩いて降りていきます。砂むし師の女将がスコップで掘った浅い溝に横たわると、**50〜55℃**の湿った砂を首までかぶせ、頭の下に畳んだタオルを敷き、顔の上に木の枠を渡してくれます。砂の重みは想像以上で、十分から十五分のあいだ、熱が体の奥から皮膚へとゆっくり押し寄せ、全身が脈打つように感じられます。我慢の限界が来たら起き上がり、砂を落として、屋内の温泉で締めくくります。

砂むしの上に広がる景色は、火山的でありながら南国的でもあります。沖合には開聞岳(海門岳・924m)、薩摩半島の人々が薩摩富士と呼ぶ端正な円錐がそびえます。九州の最南端に近いこの土地では、街中にハイビスカスやブーゲンビリアが咲く程度には気候が温暖で、現役の温泉文化としては九州で最も南に位置します。

砂むしの外で

開聞岳は日本百名山の一座で、登山口から頂上までおよそ二時間、らせん状の一本道を登る半日コースです。片側に太平洋、もう片側に池田湖のカルデラを望みます。よりおだやかな選択肢としては、八重山高原を抜ける茶畑と季節の花畑を走るサイクリングコースがあり、本州の多くの観光地が冬季休業に入る時期にも花の景色を楽しめます。

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参考・出典

  1. いぶすき観光ネット — 温泉ポータルofficial指宿市観光協会の温泉案内。砂むし、絶景露天、銭湯、足湯、日帰り温泉の五つに分類し、指宿駅周辺・山川/長崎鼻・開聞岳/池田湖・知林ヶ島の四エリアに整理。
  2. 指宿温泉 砂むし会館「砂楽」 — 砂むしについてofficial摺ヶ浜に位置する最大の砂むし施設。元禄16年(1703)の砂蒸し湯治の記録、平成8年(1996)開館以降年間約27万人の出典。
  3. Wikipedia — 指宿温泉摺ヶ浜を中心とする温泉群および薩摩半島南端の地理的背景。
  4. JNTO — 開聞岳「薩摩富士」official標高924m、日本百名山の一座、標準登山ルートの典拠。
  5. かごしまの旅 — 指宿温泉郷official鹿児島県観光サイト。指宿温泉郷の概要、周辺観光素材の参照。