塩塩化物泉ナトリウム−塩化物温泉 · +炭酸水素塩泉
ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩泉。塩味の効いた塩化物に重曹のまろやかさが重なり、旧泉質名では「含重曹−食塩泉」と呼ばれた系統。源泉は33.7℃の低温泉で加温して使用、弱アルカリ性で肌当たりはやさしく、メタけい酸を88.4 mg/kg含むことから「美肌の湯」系のすべすべ感もある。総溶存物質1,124 mg/kgと適度なミネラル含有量で、湯ごたえと保温性のバランスが取れた都市型温泉。
こんな効能
温まり
塩分が肌に膜をつくって熱の逃げを抑えるので、湯あがりの温かさが長く続きます(いわゆる熱の湯)。
冷え性に
美肌
炭酸水素塩とアルカリ性が古い角質をやわらげ、メタけい酸がうるおいを与えてなめらかに。美人の湯と呼ばれる所以です。
乾燥・カサつきに
きず
塩化物・硫酸塩・硫黄を含むミネラル豊富な湯は、軽い切り傷や治りにくい肌に古くから良いとされます。
軽い切り傷に
疲労回復
温熱と浮力がストレス指標を下げ睡眠を改善。習慣的な入浴はうつの低さと関連します。
疲れ・ストレスに
成分(全項目)
バーは各イオンのミリ価%(その組内での電荷の割合)。20%以上が泉質名になります。ガス・けい酸・微量金属は重量のみで表示。
陽イオンミリ価%
- ナトリウム塩のもとになる陽イオン。塩化物と組んで塩味の湯にNa⁺315mgP63 全国87%
- カルシウム落ち着いた肌当たり。白い湯の花を残すこともCa²⁺22.4mgP41 全国7%
- マグネシウムおだやか。飲むと緩下作用Mg²⁺6.5mgP56 全国3%
- カリウム微量。飲用の制限に関わるK⁺12.9mgP50 全国2%
- アルミニウムAl³⁺0.40mgP74 全国0.3%
- アンモニウムNH₄⁺0.40mgP43 全国0.1%
- バリウムBa²⁺0.20mgP74 全国0.0%
- 鉄(II)空気にふれると赤褐色に。飲用可なら貧血に鉄分補給Fe²⁺< —mg
- リチウムLi⁺< —mg
- マンガン微量。含鉄泉によく伴うMn²⁺< —mg
陰イオンミリ価%
- 塩化物食塩の陰イオン。肌を包んで保温(熱の湯)Cl⁻361mgP69 全国67%
- 硫酸塩石膏・芒硝。血管をひらき、きずにSO₄²⁻7.5mgP18 全国1%
- 臭化物Br⁻0.70mgP51 全国0.1%
- ヨウ化物I⁻0.20mgP52 全国0.0%
- リン酸水素HPO₄²⁻< —mg
- チオ硫酸酸化した硫黄S₂O₃²⁻< —mg
非解離成分重量で表示
- メタけい酸メタけい酸。天然の保湿成分でしっとりH₂SiO₃88.4mgP50 全国
- メタほう酸メタほう酸。弱い抗菌作用HBO₂0.40mgP8 全国
- メタ亜砒酸HAsO₂< —mg
溶存ガス重量で表示
- 遊離二酸化炭素炭酸。血管をひらく(1000mg/kg以上で顕著)CO₂12.0mgP43 全国
- 遊離硫化水素卵のような匂い。血管拡張・抗菌H₂S< —mg
微量成分重量で表示
- 総砒素As< —mg
- カドミウムCd< —mg
- クロムCr< —mg
- 銅Cu< —mg
- 鉛Pb< —mg
源泉での測定
源泉温度
33.7°C
低温泉
浸透圧
1.12g/kg
低張性
遊離CO₂
12mg/kg
低
根拠
- Maeda M. 温泉の医学的効果とその科学的根拠. J. Hot Spring Science 70:197–207, 2021.
- Kario K et al. Hemodynamic Effects of Hot Spring Bathing. Hypertension Research 46(3):711–720, 2023.
- Naito Y et al. A Hot-Spring Water Improves Inflammatory Conditions in an Atopic Dermatitis Model. Biomedicines 13(11):2707, 2025.
- Li H et al. Bicarbonate Ionized Water Bathing Enhances Natural Killer Cell Activity. Scientific Reports 14:51851, 2024.
- Takeda M et al. Hot spring bathing practices have a positive effect on mental health in Japan. Heliyon 9(9):e19631, 2023.