塩塩化物泉ナトリウム・マグネシウム−塩化物・炭酸水素塩温泉 · +炭酸水素塩泉
東京・浅草の地下から汲み上げるナトリウム・マグネシウム−塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉。25℃未満の冷鉱泉のため加温して入浴する湯で、湧出地では気泡の発生が記録されている。腐植質を含んだ淡褐色澄明の湯は、ほとんど無味無臭。弱アルカリ性のやさしい湯触りに、炭酸水素塩のまろやかさとメタけい酸の豊富さが重なり、いわゆる「美肌の湯」の系統に連なる。
こんな効能
温まり
塩分が肌に膜をつくって熱の逃げを抑えるので、湯あがりの温かさが長く続きます(いわゆる熱の湯)。
冷え性に
美肌
炭酸水素塩とアルカリ性が古い角質をやわらげ、メタけい酸がうるおいを与えてなめらかに。美人の湯と呼ばれる所以です。
乾燥・カサつきに
きず
塩化物・硫酸塩・硫黄を含むミネラル豊富な湯は、軽い切り傷や治りにくい肌に古くから良いとされます。
軽い切り傷に
疲労回復
温熱と浮力がストレス指標を下げ睡眠を改善。習慣的な入浴はうつの低さと関連します。
疲れ・ストレスに
成分(全項目)
バーは各イオンのミリ価%(その組内での電荷の割合)。20%以上が泉質名になります。ガス・けい酸・微量金属は重量のみで表示。
陽イオンミリ価%
- ナトリウム塩のもとになる陽イオン。塩化物と組んで塩味の湯にNa⁺233mgP57 全国62%
- マグネシウムおだやか。飲むと緩下作用Mg²⁺40.0mgP83 全国20%
- カルシウム落ち着いた肌当たり。白い湯の花を残すこともCa²⁺36.2mgP49 全国11%
- カリウム微量。飲用の制限に関わるK⁺29.3mgP74 全国5%
- アンモニウムNH₄⁺4.6mgP91 全国2%
- アルミニウムAl³⁺0.30mgP66 全国0.2%
- 鉄(II)Fe²⁺0.20mgP39 全国0.1%
- マンガンMn²⁺0.20mgP45 全国0.1%
- 亜鉛Zn²⁺0.04mgP67 全国
陰イオンミリ価%
- 塩化物食塩の陰イオン。肌を包んで保温(熱の湯)Cl⁻339mgP68 全国60%
- 炭酸水素塩重曹成分。肌をなめらかに(美肌)HCO₃⁻343mgP68 全国35%
- 硫酸塩石膏・芒硝。血管をひらき、きずにSO₄²⁻21.9mgP31 全国3%
- 炭酸塩強アルカリ性。ぬるっとした浴感CO₃²⁻6.6mgP39 全国1%
- リン酸水素HPO₄²⁻1.2mgP83 全国0.2%
- 臭化物Br⁻1.1mgP61 全国0.1%
- ヨウ化物I⁻0.20mgP51 全国0.0%
- フッ化物微量。飲用に制限ありF⁻0.08mgP4 全国
- 硫化水素硫黄の性格。抗菌的HS⁻< —mg
- チオ硫酸酸化した硫黄S₂O₃²⁻< —mg
非解離成分重量で表示
- メタけい酸メタけい酸。天然の保湿成分でしっとりH₂SiO₃64.0mgP38 全国
- メタほう酸メタほう酸。弱い抗菌作用HBO₂4.2mgP30 全国
溶存ガス重量で表示
- 遊離二酸化炭素炭酸。血管をひらく(1000mg/kg以上で顕著)CO₂< —mg
- 遊離硫化水素卵のような匂い。血管拡張・抗菌H₂S< —mg
微量成分重量で表示
- 総砒素As< —mg
- カドミウムCd< —mg
- 銅Cu< —mg
- 総水銀有毒微量。飲用安全の確認項目Hg< —mg
- 鉛Pb< —mg
源泉での測定
pH
8.20
弱アルカリ性
源泉温度
18.0°C
冷鉱泉
浸透圧
1.14g/kg
低張性
湧出量
40L/min
低
根拠
- Maeda M. 温泉の医学的効果とその科学的根拠. J. Hot Spring Science 70:197–207, 2021.
- Kario K et al. Hemodynamic Effects of Hot Spring Bathing. Hypertension Research 46(3):711–720, 2023.
- Naito Y et al. A Hot-Spring Water Improves Inflammatory Conditions in an Atopic Dermatitis Model. Biomedicines 13(11):2707, 2025.
- Li H et al. Bicarbonate Ionized Water Bathing Enhances Natural Killer Cell Activity. Scientific Reports 14:51851, 2024.
- Takeda M et al. Hot spring bathing practices have a positive effect on mental health in Japan. Heliyon 9(9):e19631, 2023.