塩塩化物泉ナトリウム・カルシウム−塩化物温泉
ナトリウム・カルシウムを軸とする塩化物泉。中性で湯触りは穏やか、総溶存7,349 mg/kgとしっかりミネラルを含み、保温性に優れた塩化物泉らしい湯ごたえがある。湯口では微淡色に混濁し、弱い塩味と苦味、わずかな硫化水素臭をまとう。
こんな効能
温まり
塩分が肌に膜をつくって熱の逃げを抑えるので、湯あがりの温かさが長く続きます(いわゆる熱の湯)。
冷え性に
きず
塩化物・硫酸塩・硫黄を含むミネラル豊富な湯は、軽い切り傷や治りにくい肌に古くから良いとされます。
軽い切り傷に
疲労回復
温熱と浮力がストレス指標を下げ睡眠を改善。習慣的な入浴はうつの低さと関連します。
疲れ・ストレスに
注意
禁忌症
- 病気の活動期(特に熱があるとき)
- 活動性の結核
- 進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合
- 少し動くと息苦しいような重い心臓肺の病気
- 腎不全、肝不全
- 消化管出血、目に見える出血があるとき
- 慢性の病気の急性増悪期
成分(全項目)
バーは各イオンのミリ価%(その組内での電荷の割合)。20%以上が泉質名になります。ガス・けい酸・微量金属は重量のみで表示。
陽イオンミリ価%
- ナトリウム塩のもとになる陽イオン。塩化物と組んで塩味の湯にNa⁺1,608mgP90 全国55%
- カルシウム落ち着いた肌当たり。白い湯の花を残すこともCa²⁺1,127mgP96 全国44%
- マグネシウムMg²⁺4.9mgP50 全国0.3%
- カリウムK⁺5.4mgP35 全国0.1%
- 鉄(II)Fe²⁺0.90mgP61 全国0.0%
- マンガンMn²⁺0.50mgP65 全国0.0%
- アルミニウムAl³⁺0.10mgP53 全国0.0%
- 鉄(III)Fe³⁺< —mg
陰イオンミリ価%
- 塩化物食塩の陰イオン。肌を包んで保温(熱の湯)Cl⁻4,049mgP92 全国91%
- 硫酸塩石膏・芒硝。血管をひらき、きずにSO₄²⁻478mgP86 全国8%
- フッ化物F⁻11.5mgP94 全国0.5%
- ヨウ化物I⁻0.10mgP35 全国0.0%
- リン酸水素HPO₄²⁻0.0030mgP20 全国
非解離成分重量で表示
- メタけい酸メタけい酸。天然の保湿成分でしっとりH₂SiO₃36.0mgP17 全国
- メタほう酸メタほう酸。弱い抗菌作用HBO₂10.1mgP56 全国
溶存ガス重量で表示
- 遊離二酸化炭素炭酸。血管をひらく(1000mg/kg以上で顕著)CO₂6.6mgP33 全国
- 遊離硫化水素卵のような匂い。血管拡張・抗菌H₂S< —mg
微量成分重量で表示
- 総砒素As0.0050mgP15 全国
源泉での測定
pH
7.18
中性
源泉温度
30.4°C
低温泉
浸透圧
7.35g/kg
低張性
湧出量
23L/min
低
遊離CO₂
6.60mg/kg
低
分析書より
- 筋肉や関節のこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)
- 軽い高血圧、糖尿病、軽症高コレステロール血症
- 軽い喘息又は肺気腫
- 痔の痛み
- 自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)
- 病後回復期、疲労回復、健康増進
- きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
根拠
- Maeda M. 温泉の医学的効果とその科学的根拠. J. Hot Spring Science 70:197–207, 2021.
- Kario K et al. Hemodynamic Effects of Hot Spring Bathing. Hypertension Research 46(3):711–720, 2023.
- Naito Y et al. A Hot-Spring Water Improves Inflammatory Conditions in an Atopic Dermatitis Model. Biomedicines 13(11):2707, 2025.
- Takeda M et al. Hot spring bathing practices have a positive effect on mental health in Japan. Heliyon 9(9):e19631, 2023.