塩塩化物泉
洞爺湖温泉協同組合が管理する複数の源泉(洞爺5・6・9・12号と共同1〜7号)を混合した、ナトリウム・カルシウムを軸とする塩化物泉。源泉温度は50℃前後と高めで、湧出量は毎分1,400 L級と豊富。総蒸発残留物は約2,890 mg/kgと、しっかりとミネラルを含み、肌に塩のヴェールを残す湯ごたえのある湯ざわり。メタけい酸が178 mg/kgと豊富で、湯上がりに薄い保湿膜のような潤いを残し、保温性の高い塩化物泉らしい体の温まりが続く。
こんな効能
温まり
塩分が肌に膜をつくって熱の逃げを抑えるので、湯あがりの温かさが長く続きます(いわゆる熱の湯)。
冷え性に
分析書記載:冷え性
筋肉・関節
温熱がこわばりをほぐし痛みの閾値を上げます。関節・筋肉の痛みには放射能泉と硫酸塩泉のエビデンスが特に強い。
肩こりに
美肌
炭酸水素塩とアルカリ性が古い角質をやわらげ、メタけい酸がうるおいを与えてなめらかに。美人の湯と呼ばれる所以です。
乾燥・カサつきに
分析書記載:皮膚乾燥症
きず
塩化物・硫酸塩・硫黄を含むミネラル豊富な湯は、軽い切り傷や治りにくい肌に古くから良いとされます。
軽い切り傷に
分析書記載:きりきず
疲労回復
温熱と浮力がストレス指標を下げ睡眠を改善。習慣的な入浴はうつの低さと関連します。
疲れ・ストレスに
分析書記載:うつ状態
成分(全項目)
バーは各イオンのミリ価%(その組内での電荷の割合)。20%以上が泉質名になります。ガス・けい酸・微量金属は重量のみで表示。
陽イオンミリ価%
- ナトリウム塩のもとになる陽イオン。塩化物と組んで塩味の湯にNa⁺690mgP81 全国
- カルシウム落ち着いた肌当たり。白い湯の花を残すこともCa²⁺203mgP85 全国
- カリウム微量。飲用の制限に関わるK⁺43.0mgP81 全国
- マグネシウムおだやか。飲むと緩下作用Mg²⁺30.4mgP76 全国
陰イオンミリ価%
- 塩化物食塩の陰イオン。肌を包んで保温(熱の湯)Cl⁻1,140mgP81 全国
- 硫酸塩石膏・芒硝。血管をひらき、きずにSO₄²⁻525mgP88 全国
- 炭酸水素塩重曹成分。肌をなめらかに(美肌)HCO₃⁻357mgP68 全国
非解離成分重量で表示
- メタけい酸メタけい酸。天然の保湿成分でしっとりH₂SiO₃178mgP79 全国
源泉での測定
源泉温度
50.5°C
高温泉
湧出量
1,400L/min
極めて高い
分析書より
- 末梢循環障害
根拠
- Maeda M. 温泉の医学的効果とその科学的根拠. J. Hot Spring Science 70:197–207, 2021.
- Kario K et al. Hemodynamic Effects of Hot Spring Bathing. Hypertension Research 46(3):711–720, 2023.
- Naito Y et al. A Hot-Spring Water Improves Inflammatory Conditions in an Atopic Dermatitis Model. Biomedicines 13(11):2707, 2025.
- Donaubauer AJ et al. Serial radon spa therapy on pain in musculoskeletal disorders. Frontiers in Immunology, 2024.
- Verhagen AP et al. Balneotherapy for rheumatoid arthritis. Cochrane Database of Systematic Reviews CD000518, 2015.
- Li H et al. Bicarbonate Ionized Water Bathing Enhances Natural Killer Cell Activity. Scientific Reports 14:51851, 2024.
- Takeda M et al. Hot spring bathing practices have a positive effect on mental health in Japan. Heliyon 9(9):e19631, 2023.