湯単純温泉ナトリウム・カルシウム−炭酸水素塩・塩化物温泉
平湯の四本の源泉(蓬莱の湯・新子宝の湯・湯の平の湯・湯上の湯)を合わせた混合泉で、泉質は単純温泉。中性で総溶存物質は926 mg/kgと軽め、刺激の少ない穏やかな湯にまとまっている。湧出地では微かに黄色を帯び、湯の華が舞ってやや白濁するが、採水24時間後の試験室では無色透明に落ち着き、黄色の沈殿を残す。分析は源泉そのものではなく、貯湯タンクのオーバーフロー管末端で採水されたもの。
こんな効能
筋肉・関節
温熱がこわばりをほぐし痛みの閾値を上げます。関節・筋肉の痛みには放射能泉と硫酸塩泉のエビデンスが特に強い。
肩こりに
疲労回復
温熱と浮力がストレス指標を下げ睡眠を改善。習慣的な入浴はうつの低さと関連します。
疲れ・ストレスに
成分(全項目)
バーは各イオンのミリ価%(その組内での電荷の割合)。20%以上が泉質名になります。ガス・けい酸・微量金属は重量のみで表示。
陽イオンミリ価%
- ナトリウム塩のもとになる陽イオン。塩化物と組んで塩味の湯にNa⁺151mgP40 全国53%
- カルシウム落ち着いた肌当たり。白い湯の花を残すこともCa²⁺68.1mgP64 全国28%
- マグネシウムおだやか。飲むと緩下作用Mg²⁺19.5mgP70 全国13%
- カリウム微量。飲用の制限に関わるK⁺22.6mgP67 全国5%
- リチウムLi⁺1.0mgP74 全国1%
- ストロンチウムSr²⁺0.70mgP74 全国0.1%
- 鉄(II)Fe²⁺0.30mgP43 全国0.1%
- バリウムBa²⁺0.30mgP75 全国0.0%
- アルミニウム酸性の火山性の湯に現れるAl³⁺NDmg
- 銅Cu²⁺NDmg
- 鉄(III)Fe³⁺NDmg
- マンガン微量。含鉄泉によく伴うMn²⁺NDmg
- アンモニウムNH₄⁺NDmg
- 亜鉛Zn²⁺NDmg
陰イオンミリ価%
- 炭酸水素塩重曹成分。肌をなめらかに(美肌)HCO₃⁻474mgP75 全国66%
- 塩化物食塩の陰イオン。肌を包んで保温(熱の湯)Cl⁻121mgP46 全国29%
- 硫酸塩石膏・芒硝。血管をひらき、きずにSO₄²⁻30.7mgP36 全国5%
- フッ化物F⁻0.40mgP28 全国0.2%
- 臭化物Br⁻0.60mgP50 全国0.1%
- 炭酸塩強アルカリ性。ぬるっとした浴感CO₃²⁻NDmg
- H2PO4H₂PO₄⁻NDmg
- 硫化水素硫黄の性格。抗菌的HS⁻NDmg
- HSO4HSO4NDmg
- ヨウ化物空気で黄変。脂質にI⁻NDmg
- 亜硝酸塩NO₂⁻NDmg
- 硝酸塩NO₃⁻NDmg
- チオ硫酸酸化した硫黄S₂O₃²⁻NDmg
非解離成分重量で表示
- メタけい酸メタけい酸。天然の保湿成分でしっとりH₂SiO₃24.0mgP9 全国
- メタほう酸メタほう酸。弱い抗菌作用HBO₂12.1mgP61 全国
- メタ亜砒酸HAsO₂NDmg
溶存ガス重量で表示
- 遊離二酸化炭素炭酸。血管をひらく(1000mg/kg以上で顕著)CO₂274mgP91 全国
- 遊離硫化水素卵のような匂い。血管拡張・抗菌H₂SNDmg
微量成分重量で表示
- 総砒素As< —mg
- カドミウムCd< —mg
- クロムCr< —mg
- 総水銀有毒微量。飲用安全の確認項目Hg< —mg
- 鉛Pb< —mg
源泉での測定
pH
6.60
中性
源泉温度
52.8°C
高温泉
浸透圧
0.93g/kg
低張性
遊離CO₂
274mg/kg
標準
根拠
- Maeda M. 温泉の医学的効果とその科学的根拠. J. Hot Spring Science 70:197–207, 2021.
- Donaubauer AJ et al. Serial radon spa therapy on pain in musculoskeletal disorders. Frontiers in Immunology, 2024.
- Verhagen AP et al. Balneotherapy for rheumatoid arthritis. Cochrane Database of Systematic Reviews CD000518, 2015.
- Takeda M et al. Hot spring bathing practices have a positive effect on mental health in Japan. Heliyon 9(9):e19631, 2023.