塩塩化物泉カルシウム・ナトリウム−塩化物温泉
カルシウムとナトリウムを軸とする塩化物温泉で、肌に塩のヴェールを残す保温性の高い湯。総溶存物質は9,132 mg/kgとしっかりミネラルを含み、等張性・中性で身体への負担が少ない。加水・加温・循環ろ過・塩素消毒を行ったうえで提供される大浴場の湯で、飲用は不可とされている。
こんな効能
温まり
塩分が肌に膜をつくって熱の逃げを抑えるので、湯あがりの温かさが長く続きます(いわゆる熱の湯)。
冷え性に
分析書記載:冷え性
きず
塩化物・硫酸塩・硫黄を含むミネラル豊富な湯は、軽い切り傷や治りにくい肌に古くから良いとされます。
軽い切り傷に
分析書記載:きりきず
疲労回復
温熱と浮力がストレス指標を下げ睡眠を改善。習慣的な入浴はうつの低さと関連します。
疲れ・ストレスに
分析書記載:自律神経不安定症病後回復期疲労回復健康増進
注意
禁忌症
- 病気の活動期(特に熱のあるとき)
- 活動性の結核
- 進行した悪性腫瘍又は高度の貧血などの身体衰弱の著しい場合
- 少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気
- むくみのあるような重い腎臓の病気
- 消化管出血
- 目に見える出血があるとき
- 慢性の病気の急性増悪期
成分(全項目)
バーは各イオンのミリ価%(その組内での電荷の割合)。20%以上が泉質名になります。ガス・けい酸・微量金属は重量のみで表示。
陽イオンミリ価%
- カルシウム落ち着いた肌当たり。白い湯の花を残すこともCa²⁺2,042mgP98 全国63%
- ナトリウム塩のもとになる陽イオン。塩化物と組んで塩味の湯にNa⁺1,327mgP88 全国36%
- カリウムK⁺22.3mgP67 全国0.3%
- マグネシウムMg²⁺5.8mgP54 全国0.3%
- 鉄(II)Fe²⁺0.10mgP30 全国0.0%
- マンガンMn²⁺0.10mgP36 全国0.0%
- アルミニウム酸性の火山性の湯に現れるAl³⁺< —mg
- 水素湯を酸性に。さっぱり・殺菌的H⁺< —mg
陰イオンミリ価%
- 塩化物食塩の陰イオン。肌を包んで保温(熱の湯)Cl⁻5,694mgP94 全国100%
- 炭酸水素塩HCO₃⁻13.7mgP9 全国0.1%
- フッ化物F⁻1.9mgP57 全国0.1%
- BO2BO₂⁻< —mg
- 炭酸塩強アルカリ性。ぬるっとした浴感CO₃²⁻< —mg
- 硫化水素硫黄の性格。抗菌的HS⁻< —mg
- 水酸化物OH⁻< —mg
- チオ硫酸酸化した硫黄S₂O₃²⁻< —mg
- 硫酸塩石膏・芒硝。血管をひらき、きずにSO₄²⁻< —mg
非解離成分重量で表示
- メタけい酸メタけい酸。天然の保湿成分でしっとりH₂SiO₃23.3mgP8 全国
- メタほう酸メタほう酸。弱い抗菌作用HBO₂0.50mgP8 全国
溶存ガス重量で表示
- 遊離二酸化炭素炭酸。血管をひらく(1000mg/kg以上で顕著)CO₂2.2mgP22 全国
- 遊離硫化水素卵のような匂い。血管拡張・抗菌H₂S< —mg
微量成分重量で表示
- 総砒素As< —mg
- カドミウムCd< —mg
- 銅Cu< —mg
- 総水銀有毒微量。飲用安全の確認項目Hg< —mg
- 鉛Pb< —mg
源泉での測定
源泉温度
35.4°C
温泉
浸透圧
9.13g/kg
等張性
遊離CO₂
2.20mg/kg
低
分析書より
- 筋肉若しくは関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)
- 運動麻痺における筋肉のこわばり
- 胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)
- 軽症高血圧
- 耐糖能異常(糖尿病)
- 軽い高コレステロール血症
- 軽い喘息又は肺気腫
- 痔の痛み
- ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)
- 末梢循環障害
- 皮膚乾燥症
根拠
- Maeda M. 温泉の医学的効果とその科学的根拠. J. Hot Spring Science 70:197–207, 2021.
- Kario K et al. Hemodynamic Effects of Hot Spring Bathing. Hypertension Research 46(3):711–720, 2023.
- Naito Y et al. A Hot-Spring Water Improves Inflammatory Conditions in an Atopic Dermatitis Model. Biomedicines 13(11):2707, 2025.
- Takeda M et al. Hot spring bathing practices have a positive effect on mental health in Japan. Heliyon 9(9):e19631, 2023.