曹炭酸水素塩泉
飯森泉と杦木第5号泉を混ぜて浴槽へ送る混合泉で、泉質はナトリウム−炭酸水素塩・塩化物温泉。いわゆる重曹泉の系統にあたり、肌をなめらかにする炭酸水素塩に、塩化物のほのかな塩味とぬくもりが重なる。中性・低張性で湯当たりはやさしく、別表の泉質別適応症にはきりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症、うつ状態が並ぶ、いわゆる「美肌の湯」の系統である。
こんな効能
美肌
炭酸水素塩とアルカリ性が古い角質をやわらげ、メタけい酸がうるおいを与えてなめらかに。美人の湯と呼ばれる所以です。
乾燥・カサつきに
分析書記載:皮膚乾燥症
筋肉・関節
温熱がこわばりをほぐし痛みの閾値を上げます。関節・筋肉の痛みには放射能泉と硫酸塩泉のエビデンスが特に強い。
肩こりに
分析書記載:運動麻痺における筋肉のこわばり
温まり
塩分が肌に膜をつくって熱の逃げを抑えるので、湯あがりの温かさが長く続きます(いわゆる熱の湯)。
冷え性に
分析書記載:冷え性
きず
塩化物・硫酸塩・硫黄を含むミネラル豊富な湯は、軽い切り傷や治りにくい肌に古くから良いとされます。
軽い切り傷に
分析書記載:きりきず
疲労回復
温熱と浮力がストレス指標を下げ睡眠を改善。習慣的な入浴はうつの低さと関連します。
疲れ・ストレスに
分析書記載:自律神経不安定症病後回復期疲労回復健康増進うつ状態
注意
禁忌症
- 病気の活動期(特に熱のあるとき)
- 活動性の結核
- 進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合
- 少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気
- むくみのあるような重い腎臓の病気
- 消化管出血
- 目に見える出血があるとき
- 慢性の病気の急性増悪期
源泉での測定
浸透圧
低張性
分析書より
- 筋肉若しくは関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)
- 胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)
- 軽症高血圧
- 耐糖能異常(糖尿病)
- 軽い高コレステロール血症
- 軽い喘息又は肺気腫
- 痔の痛み
- ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)
- 末梢循環障害
根拠
- Maeda M. 温泉の医学的効果とその科学的根拠. J. Hot Spring Science 70:197–207, 2021.
- Kario K et al. Hemodynamic Effects of Hot Spring Bathing. Hypertension Research 46(3):711–720, 2023.
- Naito Y et al. A Hot-Spring Water Improves Inflammatory Conditions in an Atopic Dermatitis Model. Biomedicines 13(11):2707, 2025.
- Donaubauer AJ et al. Serial radon spa therapy on pain in musculoskeletal disorders. Frontiers in Immunology, 2024.
- Verhagen AP et al. Balneotherapy for rheumatoid arthritis. Cochrane Database of Systematic Reviews CD000518, 2015.
- Li H et al. Bicarbonate Ionized Water Bathing Enhances Natural Killer Cell Activity. Scientific Reports 14:51851, 2024.
- Takeda M et al. Hot spring bathing practices have a positive effect on mental health in Japan. Heliyon 9(9):e19631, 2023.