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湯シュラン

温泉評価制度「湯シュラン」に認定された温泉。浴槽に届いたお湯そのものと、その届け方や管理、湯をとりまく景観や文化を、湯の個性・鮮度(提供方法)・希少性・安全性と衛生管理・環境と文化的価値の5つの指標で評価します。

21軒

アワード

アワードで認定された施設のリストで、スタンプラリーではありません。集めるスタンプもバッジもないので、気になる湯から訪ねてみてください。

湯シュラン(Yuchelin)は、温泉の「浴槽に届いたお湯そのもの」を評価する温泉評価制度です。温泉宿は料理やおもてなし、眺め、建築や客室で選ばれることが多いなか、湯シュランが見るのは、浴槽に届いた湯と、その届け方や管理、そして湯をとりまく景観や歴史、文化です。名前は似ていますが、ミシュランガイドとは関係ありません。

たとえるなら、源泉は「海で泳いでいる魚」、浴槽の湯は「食卓に出された魚料理」。どれほど良い素材でも、運び方や鮮度管理、調理のしかたで味わいが変わるように、温泉も浴槽までの届け方や日々の管理で、色や香り、肌ざわりが変わる、という考え方です。ただし「源泉そのまま」であることを絶対的な基準にはせず、源泉の温度や湧出量、立地などの条件を踏まえて評価するとしています。

運営は東京の一般社団法人Yuchelin、代表理事は温泉家の北出恭子さん。第1回のアワードは2026年10月26日に開かれ、環境省の後援を受けています。2027年からは調査対象をさらに広げる予定です。

このページでは、湯シュランに認定された施設を、施設タブで星ごとにまとめ、地図でも紹介しています。アワードのたびに増えていきます。

何を評価するのか

評価の指標は5つです。

  • 湯の個性:温泉成分、pH、泉温に加えて、色、香り、味、浴感(肌ざわり)など、浴槽で実際に体験できる湯の特徴や状態。
  • 鮮度(提供方法):源泉から浴槽までの距離や時間、配湯方法、貯湯の有無、加水・加温・循環ろ過・消毒など、湯がどんな状態で届けられているか。ここでも「源泉そのまま」かどうかだけでは決めず、源泉ごとの条件を踏まえて見るとしています。
  • 希少性:地質的な成り立ちや湧出形態、源泉の特徴、入浴方法、立地環境など、その場所ならではの希少な価値や温泉体験。
  • 安全性・衛生管理:浴槽・浴場の清掃や衛生管理、入浴時の安全対策、関連法令の遵守など、安心して温泉を楽しむための管理体制。
  • 環境・文化的価値:自然景観や環境への配慮、地域の歴史・文化、湯を守り受け継ぐ人々の営み。

評価は、温泉分析書や施設情報などの収集・分析、インスペクターによる現地調査、評価委員会による審査と認定(星の判定もここで行います)、結果の公表と発信、という流れで進みます。インスペクターは、原則として立場を明かさずに施設を訪ねます。施設側の費用負担はなく、認定・評価の対象になり得る施設や事業者、評価に直接の利害がある自治体・団体からの協賛も受けていません。

制度全体を監督・助言するのは評議員会で、温泉科学、温泉医学、公衆衛生、観光、歴史文化、地域振興など、いろいろな分野の有識者で構成されています。温泉評論家の石川理夫さん、杏林大学の小堀貴亮教授、東海大学の斉藤雅樹教授、中央温泉研究所の滝沢英夫研究部長、国際医療福祉大学の前田眞治名誉教授、名古屋大学宇宙地球環境研究所の森康則さん、JTB総合研究所の山下真輝フェロー、オブザーバーに中央温泉研究所顧問の長島秀行さん。評議員会は評価基準や選定のプロセス、制度の運営が公平で透明かどうかを見守る役割で、個々の施設の選定や調査、審査、認定には関わりません。

星の意味

湯シュランによると、星が伝えるのは「その湯を訪れる価値」。湯の魅力や訪れる意義を分かりやすく伝え、新しい温泉との出会いを生むための指標だとしています。

  • ⭐⭐⭐ 三ツ星「人生を変えるような湯体験」:湯の優れた特性や希少性、提供方法、地域固有の魅力などが融合した、卓越した湯体験を提供する最高評価。その一湯との出会いが、温泉への価値観さえ変えてしまうほどの、忘れがたい感動をもたらす湯です。
  • ⭐⭐ 二ツ星「湯そのものを目指して訪れる名湯」:湯そのものの価値が際立ち、その魅力を生かした優れた提供方法で、質の高い湯体験を届ける温泉。浸かること自体が旅の目的になる、わざわざ足を運んででも体験したい一湯です。
  • ⭐ 一ツ星「近くに行けばぜひ立ち寄りたい湯」:その土地ならではの個性や魅力があり、丁寧な湯使いで良質な入浴体験を届ける温泉。近くに来たら、ぜひ立ち寄って味わいたい一湯です。

星は単純な優劣ではなく、湯の価値を伝え、守り、未来へつなぐための「信頼ラベル」だとされています。

はじまりは2026年

2026年は本格始動の前の「創設0期」。湯シュランに認定された温泉のモデルケースを多くの人に知ってもらうため、初回は三ツ星のみに絞って発表されました。湯シュランによると、今回は特に希少性が高く、湯の個性を五感で感じやすい21施設を選んだとのことで、これを全国の素晴らしい湯を紹介していく「第一歩」としています。二ツ星・一ツ星の認定は2027年から始まり、インスペクターによる調査も2027年度から本格運用されます。新たに認定された施設は、このページに加わっていきます。

資金の一部はCAMPFIREのクラウドファンディングで集められ、2026年9月24日から10月20日までに432人から6,493,026円(達成率576%)が集まりました。「2026」の「026」を「おふろ」と読む、千年に一度の「風呂イヤー」でもあるそうです。

訪ねるときは

湯シュランは「湯シュラン流 湯をお借りする五か条」(一般社団法人ツーリストシップ監修)を呼びかけています。地元の人たちが守ってきた湯に「お邪魔します」の気持ちで入る、というのが出発点です。出かける前に施設のページで営業状況を確かめ(必要なら電話で)、現金と小銭、タオルと石けん・シャンプー、白いコップを用意して、浴場の広さに合った人数で。白いコップの理由は書かれていませんが、白なら湯の本当の色がよく見え、飲泉できるところでは味も確かめられる、というのが温泉鬼の考えです。そして五か条は、場所や順番は地元の人に譲り混む時間は避ける、挨拶をする、その日の湯温を楽しみ、調整したいときは地元の人に聞く、当たり前を丁寧に(浴室や脱衣所で撮影しない、かけ湯をして体を洗ってから入る、湯口や洗い場を独り占めしない、桶や椅子は洗って戻す、ごみは持ち帰る、体を拭いてから脱衣所へ)、地球の恵みに感謝と敬意を。どこの温泉でも心がけたいことばかりです。

21施設の中には小さな共同浴場もあり、営業日や営業期間が限られるところもあります。出かける前に、このサイトの各施設のページで営業日を確かめてください。

出典

  1. 「湯シュランアワード2026」三ツ星認定21施設を発表しました(yuchelin.org)official— 三ツ星21施設の発表と、初年度にこの21施設を選んだ理由、今回を「第一歩」とする位置づけ。
  2. 湯シュランとは(yuchelin.org)official— 魚料理のたとえ、5つの評価指標の定義、三ツ星・二ツ星・一ツ星の意味、評価の流れと評価委員会、評議員会の構成と役割。
  3. 湯シュラン Yuchelin(公式サイト)official— 三ツ星21施設の一覧と各施設の紹介、湯をお借りする五か条。
  4. 湯シュラン クラウドファンディング(CAMPFIRE、2026年)official— 2027年からの一ツ星・二ツ星の認定と調査の予定、協賛を受けない相手、支援者432人、支援総額6,493,026円、資金の使い道。