鬼怒川温泉
き ぬ が わ お ん せ ん

鬼怒川温泉

Kinugawa Onsen
栃木県関東地方15施設

鬼怒川渓谷の栃木のリゾート温泉。日光の玄関口。崖上の露天から渓谷を見下ろす。

滝温泉から鬼怒川温泉へ

鬼怒川温泉の開湯は、元禄四年(一六九一年)と伝えられます。沼尾重兵衛を中心とする村の人々が鬼怒川の西岸に湧き出る一源を見出し、滝温泉と名づけました。宝暦元年(一七五一年)にはこの一帯が日光奉行の支配下に入り、湯は社寺領として一般の入湯を許されず、東照宮へ参詣する大名、その随行の武家、そして高位の僧侶のみがゆかりの宿で湯を使うことのできる、いわば武家の隠し湯のごとき存在となりました。明治二年(一八六九年)に社寺領の制度が廃されると湯は広く開かれ、明治のはじめには対岸に藤原温泉もあらたに開かれます。両湯を合わせて鬼怒川温泉と称するようになりましたのが昭和二年(一九二七年)のこと、その二年後に下野電気鉄道、すなわち今日の東武鬼怒川線が通り、いわゆる「関東の奥座敷」としての歩みが始まりました。

渓谷に重なる宿の町

鬼怒川温泉郷の景観は、ひとえに鬼怒川が刻んだ渓谷の険しさによります。両岸の崖に沿うように旅館や鉄筋のホテルが幾層にも積み重なり、客室や露天風呂は瀬の音を真下に聞く位置に張り出しています。泉質はアルカリ性単純温泉、無味無臭で肌当たりがやわらかく、長湯にも向いた素直な湯です。なお昭和末期の観光不況の名残として、川沿いには休業のまま残る鉄筋の旧ホテルが幾棟か佇み、滝見橋から下流に望むその一群は、はからずも当地のひとつの風景として写真家や旅人の関心を引いておりますことも申し添えておきます。

日光、江戸村、舟下り

東京からの距離も近く、東武鉄道の特急で浅草から二時間ほど、新型のスペーシアXは温泉郷の中心にあたる鬼怒川温泉駅へと直通いたします。周辺には江戸の町並みを再現した日光江戸村があり、また鬼怒川の流れを下るライン下りの舟乗り場も近くにございますので、湯治とあわせて一日を組み立てやすい温泉地でもあります。

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参考・出典

  1. 鬼怒川温泉旅館組合 — 鬼怒川温泉の由来・効能official元禄四年の開湯、江戸期に大名・武家・高僧のみが入浴できた由緒、昭和二年の改称の典拠。
  2. 日光旅ナビ — 鬼怒川温泉official日光市観光協会による泉質、渓谷景観、東武鬼怒川線でのアクセス記述。
  3. 日光市公式ホームページ — 鬼怒川温泉の紹介official一九二七年の命名と鉄道開通以降の発展について行政側の記述。
  4. 鬼怒川温泉 — ウィキペディア滝温泉・藤原温泉の沿革、ダム建設後の源泉拡張、日光江戸村などの近隣施設。
  5. Japan Today — 鬼怒川温泉の「廃墟」イメージをめぐる報道バブル崩壊後の閉館経緯と、滝見橋から見える廃ホテル群についての背景。