塩原温泉郷
し お ば ら お ん せ ん き ょ う

塩原温泉郷

Shiobara Onsen-kyo
栃木県関東地方36施設

栃木の箒川沿い、9kmの渓谷に十一の温泉地が連なる温泉郷。多彩な泉質が狭い谷に集まる。

箒川に沿う十一の湯

塩原のはじまりは、伝承では大同のころ、すなわち八〇六年前後に元湯の源泉が見出されたところに置かれます。記録に残る湯治の歴史も千年を優に超え、そこから育ったのはひとつの湯場ではなく、ひと連なりの里でございました。高原山の南麓を西へと刻む箒川の谷に沿って、大網・福渡・塩釜・塩の湯・畑下・門前・古町・中塩原・上塩原・新湯・元湯と十一の湯場が点在し、合わせて塩原十一湯と称せられます。およそ一五〇本の源泉がこれらの湯を支え、平安より江戸を通じてそれぞれの里が独自の泉質と独自の常連を抱えてまいりました。小説家・田山花袋は大正七年(一九一八)の『温泉巡り』のなかでこの塩原を温泉郷と呼び、その呼称が今日まで残っております。

森に深く沈む渓谷と吊橋

塩原の景観は、両岸の尾根が標高一千メートル前後にまで立ち上がる深い渓谷に尽きます。旅館は箒川に寄り添うように建ち、露天の多くは瀬の上に張り出しており、谷沿いの遊歩道がそれらをつないでまいります。川の上にはもみじ谷大吊橋紅の吊橋七ツ岩吊橋といった歩行者専用の吊橋がいくつも架かり、十月下旬から十一月上旬にかけては山肌の楓が深く染まり、谷全体が紅に包まれます。十一湯の泉質はひと谷に収めるには珍しく幅が広く、谷下の里では弱アルカリ性の単純温泉、中流ではナトリウム・カルシウム硫酸塩泉、谷の奥にあたる新湯・元湯のあたりでは白濁する硫黄泉が湧き、源泉ごとに鉄分を帯びた湯や炭酸を帯びた湯も顔を出します。同じ栃木の那須や鬼怒川にくらべ、いっそう山深く静かな佇まいが特徴と申せましょう。

山と食

湯場のすぐ近くからは高原山の登山道が伸び、半日から一日の山歩きにちょうどよい距離にございます。塩原渓谷の遊歩道そのものも、吊橋と小滝をつないで約八キロにわたります。湯あがりの食といたしましては、栃木はとんかつの土地としても知られ、塩原にも古くから続くカツの店が幾軒かございますので、湯と山にあわせて土地の味も組みあわせやすい温泉郷です。

地区

塩原温泉郷内の5地区
新湯温泉
Arayu Onsen
6施設
福渡温泉
Fukuwata Onsen
3施設
上塩原温泉
Kamishiobara Onsen
3施設
元湯温泉
Motoyu Onsen
2施設
塩原温泉
Shiobara Onsen
18施設

この温泉地の施設

36施設 · 評価順

地図で見る

近隣の温泉地

50km圏内

参考・出典

  1. 塩原温泉旅館協同組合 — 日帰り入浴official塩原十一湯の構成、約一千二百年の歴史、泉質の多彩さ、箒川沿いの立地についての公式記述。
  2. 那須塩原市観光局 — 塩原温泉official大同元年(八〇六年)開湯伝承、十一湯にわたる六種類の泉質に関する自治体観光局の記述。
  3. 塩原温泉郷 — ウィキペディア十一湯の沿革、約一五〇本の源泉、田山花袋『温泉巡り』(一九一八)における「温泉郷」の語の初出について。
  4. 那須塩原観光ナビ — 紅の吊橋箒川にかかる紅の吊橋および紅葉期の景観についての観光局案内。
  5. とちぎ旅ネット — 塩原渓谷を巡るコースもみじ谷大吊橋、七ツ岩吊橋などの位置関係と、塩原渓谷歩道の概要。