
蔵王温泉
Zaō Onsen蔵王連峰の標高880mに湧く強酸性硫黄泉。冬はスキーと樹氷で知られる。
蔵王連峰西麓、千九百年の湯
蔵王温泉の開湯は西暦一一〇年と伝えられています。日本武尊(やまとたける のみこと)の東征に従った武人**吉備多賀由(きびのたがゆ)が、毒矢に傷つき 山中をさまよう途中で湧出する湯を見いだし、それに浸って傷を癒したとの 伝承が残ります。発見者の名にちなみ、村は長く高湯(たかゆ)**と呼ばれ、 山岳信仰の参拝者や近隣の湯治客が静かに通う湯の里でした。
現在の温泉街の姿は二十世紀になってから整えられたものです。大正期には 山形側から自動車道が通じ、大正十四年(一九二五年)には東北でも 最初期にあたる蔵王スキー場が開かれました。戦後にかけて旅館街はホテル やペンションを加えながら拡張し、村はやがて山形市に編入されます。 標高およそ八八〇メートル、蔵王連峰の西斜面に広がる温泉街と スキー場とは、いまも一体のものとして機能しています。
強酸性の硫黄泉と渓谷の露天
蔵王の湯は、五つの源泉群と約四十七の源泉から、毎分およそ五千七百 リットルを湧き出しています。泉質は酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩 ・塩化物泉、pHは一・二五から一・六で、国内有数の強酸性硫黄泉 として知られます。硫黄の香りが谷あいに漂い、白濁した湯が町中の 水路を流れ、古くからこの湯は**「美人の湯」**と呼ばれてきました。 強い酸が古い角質を落とし、肌をなめらかに整えるからです。
象徴的な湯が大露天風呂です。温泉街のはずれ、川沿いの渓谷に 段状に組まれた露天は、春から晩秋まで開かれ、雪に閉ざされる冬季は 休業します。杉木立の間を湯気が立ちのぼり、上段の浴槽は熱く、 足下の岩肌は長年の析出物で乳白色に染まっています。
雪の山と火口湖
冬の蔵王温泉は、蔵王温泉スキー場の麓駅としての顔を持ちます。 東北でも屈指の規模を誇り、上部の樹林帯では、アオモリトドマツが 氷雪に覆われた樹氷――いわゆる「スノーモンスター」――が 十二月末から二月にかけて夜間ライトアップされます。雪解け後の 同じロープウェイは、夏には登山客を**御釜(おかま)**へと運びます。 蔵王連峰の山頂部にあるエメラルドグリーンの火口湖で、東北を 代表する火山風景のひとつとして知られています。
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50km圏内参考・出典
- 蔵王温泉公式サイト(マウンテン&スノーリゾート)official— 地元観光協会の公式サイト。開湯1900年、五つの源泉群と47の源泉、毎分約5,700リットル、pH1.6前後の典拠。
- 蔵王温泉(ウィキペディア日本語版)— 吉備多賀由による開湯伝承、「高湯」の語源、大露天風呂、樹氷、御釜の参照。
- Zaō Onsen, Wikipedia— 標高、泉質、樹氷現象についての英語側からの照合。
- JNTO(蔵王温泉)official— 日本政府観光局のページ。スキー場との一体性とアクセス情報の確認に使用。
- 観光経済新聞「1900年の蔵王温泉」— 強酸性硫黄泉と「美人の湯」の伝統、渓谷の大露天風呂についての背景情報。


