四万温泉
し ま ん お ん せ ん

四万温泉

Shima Onsen
群馬県関東地方11施設

1954年に国民保養温泉地第一号に指定された群馬の渓谷の湯。「四万の病を癒す」という名の由来。

「四万の病に効く」と言われた湯

四万温泉は、群馬県の北西、新潟との県境に近い中之条町の山あいに静かに横たわっています。四万川の上流に沿って細長くのびる湯の郷で、その名は文字どおり「四万」、すなわち四万の病をも癒す泉と伝えられてきました。延暦の頃、源頼光に仕えた碓氷貞光がこの地で夢のお告げを受け、湧き出る霊泉が「四万の病を治す」と告げられたという伝説が、長くこの湯場の心の支えとなっています。その中心に建つのが積善館で、本館は元禄4年(1691)に関善兵衛によって木造二階建の湯宿として建てられました。現存する日本最古の木造湯宿建築とされ、明治43年(1910)に三階が増築され、現在は登録有形文化財として大切に守られています。昭和29年(1954)には、青森の酸ヶ湯、栃木の日光湯元とともに、四万は厚生省(当時)から国民保養温泉地の第一号として指定を受けました。

渓谷と赤い橋

四万温泉はひとつの町ではなく、山口・四ツ辻・新湯・日向見・湯中という五つの小さな地区が、四万川に沿って静かに連なる湯の集まりです。それぞれの地区に共同湯や足湯が点在し、上の湯、河原の湯、御夢想の湯などは無料で湯あみができます。泉質は無色透明の含塩化土類食塩泉で、四十を超える源泉から豊かに湧き出し、神経痛や疲労回復、胃腸の養生に効くと古くから親しまれてきました。積善館本館の前にかかる朱塗りの慶雲橋は、四万でもっとも写真に撮られる風景のひとつであり、宮崎駿の『千と千尋の神隠し』に登場する湯屋のたたずまいの源泉のひとつとしてしばしば語られています。スタジオ側が公式に認めた事実ではありませんが、宮崎監督自身が積善館に何度も足を運んだことは知られており、訪れる人の心をそのまま物語に重ねさせる力がここにはあります。

奥四万湖と滝めぐり

温泉街の奥へ車を走らせれば、四万川ダムの湛えるエメラルドブルーの湖、奥四万湖が現れます。湖畔をめぐる四キロの遊歩道は、徒歩でも自転車でも気持ちよく一周できる距離です。周辺には桃太郎の滝、小泉の滝、大倉の滝などが点在し、十月下旬から十一月中旬にかけては、楓と橅と楢に染まった山が湖面の青に映え、息をのむような秋の色を見せてくれます。

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参考・出典

  1. 四万温泉協会 公式サイトofficial山口・四ツ辻・新湯・日向見・湯中の宿、共同湯、足湯、土産店の一覧。
  2. 積善館について(公式)official元禄4年(1691)建築の本館、明治43年(1910)の三階増築など、現存する木造湯宿建築の沿革。
  3. 四万温泉 — ウィキペディア「四万の病に効く」名の由来、五地区の配置、国指定の文化財に関する記述。
  4. 国民保養温泉地「四万」 — 日本温泉協会昭和29年(1954)の第一号指定(酸ヶ湯・日光湯元と並ぶ)と泉質の解説。
  5. 中之条町観光協会 四万温泉ページ奥四万湖、滝めぐり、紅葉時期など周辺観光の案内。