湯河原温泉
ゆ が わ ら お ん せ ん

湯河原温泉

Yugawara Onsen
神奈川県関東地方5施設

万葉集にも詠まれた歴史ある神奈川の温泉。箱根外輪山の山ふもとにあり、2月の梅まつりで知られる。

万葉集に唯一詠まれた湯

湯河原は、八世紀の歌集**『万葉集』に唯一名を残す温泉**として知られて います。「足柄の土肥の河内に出ずる湯の…」と詠みはじめられた一首に よって、この谷あいの湯は千二百年以上前からすでに「土肥の河内の湯」と して書き留められていました。明治以降は静かな机に向かう場として多くの 文豪に選ばれ、夏目漱石は大正五年、未完の遺作『明暗』をここ湯 河原の旅館で執筆したまま絶筆としています。国木田独歩島崎藤村芥川龍之介谷崎潤一郎与謝野晶子らも訪れて作品を残し、 万葉公園の遊歩道沿いには彼らが詠んだ句や歌の碑が約三十基並んで います。

熱海と箱根のあいだの川沿いの宿場

湯河原は、海側の熱海と尾根上の箱根という二つの賑やかな隣町に 挟まれており、その「静かなもう一つの選択肢」として語られることが 多い土地です。町は箱根火山南麓を流れ下る藤木川沿いに細長く広が り、宿は一所に密集せず川と山道に沿って点在しています。湯は三十度 から八十八度と穏やかな温度帯で湧き、単純泉・弱食塩泉・石膏泉を 中心とした柔らかい泉質。長湯にも向き、肌当たりもおだやかで、山系の 大温泉地に見られる硫黄の香りはありません。建物は大型ホテルよりも 中規模の旅館が中心で、町営の湯河原温泉総湯と万葉公園内の足湯 施設「独歩の湯」が湯めぐりの軸を成しています。

谷のまわり

二月中旬から三月上旬にかけては、町の背後にそびえる幕山の斜面が 紅白に染まり、約四千本の梅が一斉に開く**「梅の宴」が催されます。 一帯はかつて石橋山合戦の舞台にも近く、源頼朝が湯河原の武将土肥 実平の手引きで山中へ逃れた歴史を抱える場所でもあります。谷をさらに 奥へ進めば、藤木川の支流に落差約十五メートルの不動滝**が落ち、 滝口には不動明王を祀る小さな祠が佇みます。バスで三十分ほど登れば 箱根の外輪山域に出ます。

この温泉地の施設

5施設 · 評価順

地図で見る

近隣の温泉地

50km圏内

参考・出典

  1. 湯河原温泉観光協会official宿泊、季節の催し、町営の湯河原温泉総湯について案内する町の公式観光ポータルです。
  2. 湯河原温泉 — Wikipedia (JA)単純泉・弱食塩泉・石膏泉といった泉質、三十〜八十八度の源泉温度、文豪との関わりなどに関する参考資料です。
  3. 幕山公園・湯河原梅林official約四千本の梅と二月から三月の「梅の宴」について解説した観光案内です。
  4. 不動滝official藤木川の支流に落ちる落差約十五メートルの滝に関する観光ページです。
  5. 湯河原温泉総湯 — 歴史official町営の総湯と万葉集における湯河原の位置づけを伝える公式資料です。