伊豆長岡温泉
い ず な が お か お ん せ ん

伊豆長岡温泉

Izunagaoka Onsen
静岡県中部地方5

伊豆中央の盆地に広がる温泉街。吾妻鏡に記され北条氏ゆかりの古奈と、明治に開けた長岡を一つの名で結ぶ。肌にやさしいアルカリ性の美肌の湯、葛城山から望む富士山と駿河湾、そして蛭ヶ小島に残る源氏の史跡。

一つの丘を挟む二つの湯

伊豆長岡温泉は伊豆半島中央部の盆地、伊豆の国市にあり、かつて 源氏山と呼ばれた小高い丘を挟んだ東西二つの温泉を一つの名で 呼んでいます。東側が古い方の古奈温泉で、開湯はおよそ千三百年前と 伝えられ、吾妻鏡にも「伊豆國小名温泉」などとその名が記され、 将軍家や公卿に用いられた湯治場でした。立地は偶然ではなく、この一帯は 北条氏の所領、すなわち北条政子を生んだ家の本拠であり、古奈の湯は 彼らとともに台頭した武家に親しまれてきました。西側の長岡温泉は ずっと新しく、明治に入って井戸が掘られ、田端温泉や多聞温泉などの 小さな湯がまとまって一つの温泉地となったものです。二十世紀の掘削で 盆地一帯に源泉が増え、やがて東西の二湯は一つの温泉街として 売り出されるようになりました。

肌にやさしい温泉街

湯は無色でほとんど無臭のアルカリ性単純泉で、pH 値は高く、古奈の 源泉はおよそ pH 九とされます。そのためわずかにとろりとした肌触りが あり、土地では美肌の湯と称されてきました。刺激の強い湯ではなく、 気長な湯治に向く穏やかな泉質で、街の姿もそれにならいました。平地に 旅館が広がり、季節の催しには今も芸者の文化が顔をのぞかせ、隣の 修善寺とともに伊豆の中央部を長く人気の地としてきたもてなしの気風が 息づいています。周囲の平野は苺の産地でもあり、冬から春にかけては いちご狩りが、湯と湯の合間の定番の昼の楽しみになっています。 交通は分かりやすく、三島から下る伊豆箱根鉄道駿豆線伊豆長岡駅 が玄関口で、宿はそこからバスで少し先にあります。

街のまわり

象徴的な眺めは湯の西にそびえる葛城山にあり、ロープウェイが標高 四五二メートルの山頂と伊豆パノラマパークの碧テラスへと運び、 富士山と深く弧を描く駿河湾を一望できます。眼下の平野は歴史が ことのほか厚く、蛭ヶ小島には流された源頼朝が源氏挙兵までの年月を 過ごした地が残り、政子と出会い北条氏に運命を託したのもこの地でした。 少し離れて立つのが、幕末の大砲鋳造炉韮山反射炉で、平成二十七年に 明治日本の産業革命遺産として世界遺産に登録された、国内でも数少ない 現存する反射炉の一つです。

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出典

  1. 伊豆の国市「温泉・癒し」official源氏山を挟む長岡・古奈の二湯を一括りに呼ぶ由来と、アルカリ性単純泉という泉質を記す市の公式ページです。
  2. 伊豆パノラマパーク(碧テラス)official葛城山ロープウェイと、富士山・駿河湾を望む標高四五二メートルの山頂テラスの公式サイトです。
  3. 伊豆の国市「世界遺産 韮山反射炉」official「明治日本の産業革命遺産」の構成資産としての韮山反射炉を解説する市の公式ページです。
  4. 伊豆長岡温泉 — Wikipedia (JA)古奈・長岡の沿革、吾妻鏡の記載、泉質に関する一般的参考資料です。