
別府温泉郷
Beppu Onsen別府八湯(鉄輪・明礬・観海寺・浜脇・亀川・堀田・柴石・別府温泉)からなる、日本一の源泉数を誇る温泉郷。
湯けむりとともに生きる町
別府の温泉は奈良時代の文献にも記されますが、温泉観光地としての別府が形を成したのはずっと後のことです。江戸期までは「八湯」はそれぞれ独立した八つの村でした。鉄輪は地獄蒸しで食を、明礬は湯の花でゆの花石を、浜脇は海辺の塩湯を — それぞれが熱との独自の付き合い方を育んでいきました。
1911年、日豊本線が別府まで延伸し、町は全国に向けて温泉地として名乗りを上げます。今も現役の竹瓦温泉(砂湯付き、木造の名建築)もこの頃の開業です。「別府八湯」という呼び名自体はそれ以前から存在しましたが、観光ブランドとして整えられたのは戦後の温泉振興期、そして2001年には市と別府八湯温泉道スタンプラリーが正式に始まりました。
毎年4月上旬には、八つの地区を舞台に別府八湯温泉まつりが5日間にわたって開催されます — 扇山の火祭り、湯ぶっかけ、風呂巡りなど、別府の春の風物詩です(公式情報はページ下部の参考リンクへ)。
浸かるだけではない — 地獄めぐり
別府の湯はすべて入浴向けではありません。高温・高濃度のため浸かれない泉源は「地獄」と呼ばれ、見物の対象になっています。代表的な七湯は鉄輪駅から徒歩圏内に集まります。コバルトブルーの海地獄、酸化鉄で赤く染まる血の池地獄(8世紀の『豊後国風土記』にも記載)、30〜40分ごとに正確に噴き上げる龍巻地獄 — そのほか合わせて七つ。海地獄・血の池地獄・龍巻地獄は国の名勝にも指定されています。
朝湯のあとの半日観光としては定番の地獄巡り、七湯共通券は各入口で販売しています。
大地が炊く食
鉄輪では、湯けむりは厨房でもあります。バスハウスを動かすのと同じ蒸気が、町じゅうの食堂や貸し蒸し釜で地獄蒸しを作っています。各銭湯の入口で売っている温泉たまご(温泉水でゆっくり茹でる)、そして大分名物のとりてん(薄衣の鶏天ぷら、ポン酢で)も外せません。
アクセス
国内外からの最寄り空港は国東半島の大分空港 (OIT) で、ターミナルから別府市内まで空港リムジンバスで約45分。国際線が多い福岡空港 (FUK) からは、高速バス(産交バス・西鉄)またはJR特急「ソニック」(小倉経由)で約2時間で到着します。
国内移動は別府駅からJR日豊本線で。東京から:東海道・山陽新幹線で小倉まで、特急ソニックに乗り換えて約6時間。大阪からは同ルートで約4.5時間。市内は八湯すべてを亀の井バスがカバーしており、駅構内の観光案内所で一日券・二日券を購入できます。由布院温泉、黒川温泉は日帰り圏内で、本ページ下部の「近隣の温泉地」からどうぞ。
編集部おすすめ
20施設編集部が地区ごとに厳選した、ここだけはという施設。一行の見どころと、なぜ訪れる価値があるのかの短い解説をつけています。
別府駅前エリア
5
別府駅周辺の中心エリア。歴史ある共同浴場やユニークな温泉体験が徒歩圏内に集まっています。

(たけがわらおんせん)
1938年建築の神社風木造建築にある砂湯の名所
1879年に開業した竹瓦温泉は、別府で最も象徴的な浴場です。唐破風の屋根を持つ堂々とした木造建築は「千と千尋の神隠し」の世界に例えられることも。名物の砂湯では、火山の地熱で温められた砂に15分間埋まり、通常の入浴では味わえない全身を包む温もりを体験できます。通常の浴場はわずか300円、砂湯は浴衣レンタル込みで1,500円。週末は早めに到着を。タトゥーOK。
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(えきまえこうとうおんせん)
ドイツ風の尖塔屋根が特徴的な大正時代の浴場
1924年に地域住民の募金で建てられた、タイムカプセルのような浴場。白と緑のドイツ風尖塔屋根は現代の街並みの中でひときわ目を引きます。内装もレトロ感満載:浴槽は100年分の鉱物で染まり、当時の二段階制度が今も残ります。44.5°Cの「高等」と、さらに熱い48°Cの「並」の2種類。2階には格安の宿泊施設もあり、大正時代の建築に泊まれる貴重な体験。タトゥーOK。
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(このはなおんせん)
地元に愛される100円の銭湯
典型的な地元の銭湯。住宅街にひっそりと佇む、小さくも手入れの行き届いた浴場で、入浴料わずか100円。単純温泉の穏やかな湯は毎日の入浴に最適。建物は別府の典型的なパターンで、1階が浴場、2階が集会場。常連客にとっては「みんなのリビング」のような存在で、地元の人々とスタッフの温かい会話が、お湯そのものと同じくらいの魅力です。
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(べっぷのおやど かがや)
街の中心にある洞窟風の貸切風呂
別府駅近くの小さな旅館。床から天井まで天然石で覆われた洞窟風の岩風呂が自慢で、街中にいながら秘密の地下温泉を発見したような気分に。岩風呂・露天風呂・檜風呂の3つの貸切風呂は日帰り利用で45分500円。宿泊客は追加料金なし。コンパクトながら湯の肌触りはなめらかで温かく、大型リゾートとは一線を画す親密な洞窟空間が魅力。
詳細を見る→鉄輪
3
別府の湯けむりの中心地。街中に噴気孔が立ち並び、数百年の入浴文化が息づいています。

(ひょうたんおんせん)
日本で唯一のミシュラン三つ星温泉
日本で唯一ミシュラン・グリーンガイドで三つ星を獲得した温泉施設。7年連続の快挙。露天、檜、打たせ湯(男湯19筋、女湯8筋)、岩、酒、蒸し、砂など10種類以上の風呂を備えた温泉テーマパーク。独自の竹冷却システムで100°Cの源泉を薄めることなく適温まで下げ、すべて100%天然かけ流し。地獄蒸し料理で火山の蒸気を使って食材を蒸す体験も楽しめます。
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(てつりんむしゆ)
遊行僧が開いた750年の歴史を持つ薬草蒸し風呂
1276年に遊行僧・一遍上人が開いた、日本最古級の療養浴。750年以上途切れることなく続く歴史。通常の温泉とはまったく異なる体験:石積みの蒸し室の中で、石菖(せきしょう)の薬草を敷いた床に横たわり、60〜70°Cの火山蒸気を浴びます。わずか8〜10分で通常のサウナ30分に相当するデトックス効果。入浴料700円、予約不可の当日受付のみ。珍しい足蒸しも併設。タトゥーOK。
詳細を見る→明礬
6
硫黄を豊富に含む乳白色の青い湯と、伝統的な湯の花小屋で知られる丘陵地区。

(べっぷおんせんほようランド【どろゆ】)
伝説の火山泥湯と混浴の露天風呂
別府で最も有名な泥湯。火山灰を豊富に含む乳白色の泥を底からすくい上げ、天然のスクラブ兼フェイスパックとして全身に塗るのが正しい入り方。露天の泥湯は竹の仕切りのみで分けられた日本でも稀少な混浴(こんよく)風呂で、伝統的な混浴文化の貴重な生き残り。明礬の硫黄泉は抜群の美肌効果。屋内の泥湯は男女別。入浴料約1,500円。
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(みょうばんゆのさと だいろてんいわふろ)
藁葺き小屋と乳白色の青い湯が美しい300年の露天風呂
1725年(享保10年)から途切れることなく営業を続ける、別府で最も歴史的に重要な温泉施設のひとつ。標高350mの別府最高地点に位置。湯の花を生産する伝統的な藁葺きの湯の花小屋が点在する敷地は壮観で、貸切風呂もこの小屋を模した竹壁と岩風呂のデザイン。乳白色からターコイズブルーに変化するシルキーな硫黄泉は美肌の湯として名高く、市街から湾まで見渡す眺望も格別。
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(ゆやえびす)
明礬最古の旅館が誇る2種類の泉質
併設のえびす屋旅館は1874年創業、明礬地区で最も歴史のある宿。レトロモダンな雰囲気を残す浴場で2種類の泉質を楽しめます。1階は杉造りの露天風呂で乳白色の硫黄泉、2階は石風呂と洞窟風露天風呂でより透明なマグネシウム泉。タトゥーOKで海外からの訪問者も歓迎、この地域で最もアクセスしやすい伝統的な温泉のひとつ。
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(やまのゆ・かぞくふろ)
明礬大橋と別府湾を一望する山上の貸切風呂
別府屈指の絶景を誇る山小屋風の浴場。明礬大橋の大アーチ、別府湾、高崎山を一望するパノラマが広がります。湯は明礬ならではの湯の花が浮かぶ乳白色の硫黄泉。大きな岩の展望風呂は大人5〜6人がゆったり入れるサイズ。静かで隠れ家のような貸切家族風呂は小さなお子様連れのファミリーにも最適。
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(おくみょうばんさんそう)
わずか550円の山奥の貸切温泉
蒸気管と湯の花小屋の先に佇む、まさに「道の果て」のような山荘。地元の人には知られているが、観光客には見つけにくい隠れスポット。3つの風呂はすべて貸切(屋内2つ、大きな露天1つ)で、毎日新鮮な源泉に入れ替え。オーナーいわく「開けたての炭酸水のようなミネラル感」の湯。一人わずか550円は別府最高のコスパ。伝統的な日本家屋での宿泊も可能。
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(ゆやまのさとおんせん)
竹林の中に隠れた7つの天然温泉
まるで民家を訪ねるような受付を済ませ、竹林の小道を抜けると、温度も泉質も異なる7つの天然源泉と天然の滝壺プールが待っています。竹に囲まれた浴室、石の床、森の景色が織りなす別府屈指の風情ある貸切風呂。オーナーはこの土地の歴史を100年以上前の湯の花小屋が立ち並んでいた時代まで遡って語ってくれます。地獄蒸し(天然の温泉蒸気で食材を蒸す)体験もできます。
詳細を見る→亀川
3
海岸沿いのエリア。ビーチでの砂湯、クラシックな建築、高級リゾートの入浴が楽しめます。

別府湾を望む海辺の砂湯
別府唯一の海浜公園・正人ヶ浜ビーチに位置し、海を眺めながら砂湯を体験できる日本でも珍しいスポット。「砂かけさん」と呼ばれるスタッフが地熱で温められた砂に約10分間埋めてくれ、外側からじんわりと体が温まります。この地での砂湯の歴史は平安時代まで遡り、1276年に訪れた上人の名に由来。待っている人や入浴しない人のために、別府湾を望む無料の足湯もあります。
詳細を見る→
(はまだおんせん)
向かいの旧館が温泉資料館になった風情ある浴場
1897年頃に「浜田鉱泉」として発見された浴場。現在の建物は1935年の旧館を2002年に再建したもので、唐破風の装飾が懐かしい風情を醸し出しています。道路を挟んだ向かいには旧館が国の登録有形文化財として保存され、温泉資料館として機能。現役の浴場と歴史建築の組み合わせは、生きた温泉文化の貴重な断面。施設はバリアフリー対応で、スロープ・広い通路・手すりを完備。
詳細を見る→
(AMANE Resort Seikai(しおさいのやど はるみ))
海抜ゼロメートルのインフィニティ温泉
別府湾に限りなく近く、海がそのまま浴槽の延長に感じられるブティックリゾート。1階の「潮騒の湯」は「海抜0メートルの温泉」と呼ばれ、浴槽から海水に手が届きそうなほど。8階のテラス風呂「松陽の湯」からは180度のパノラマビュー。宿泊なしの日帰り入浴も可能で、一度の訪問でも気軽にアクセスできます。
詳細を見る→浜脇
1
別府最古の温泉郷のひとつ。親密な地元の湯と文化的な出会いの場。

(さぼう たかさき)
コーヒーを頼むと貸切温泉に入れる喫茶店
別府八十八湯を10周した元地域活動家・高崎さんの人柄そのものがこの場所の魅力。別府温泉協会の設立者でもあります。コンセプトはシンプル:喫茶店でドリンクを注文すると裏手の貸切温泉に入浴可能。高崎さんは温泉の歴史や文化について熱心に語り、外国人ゲストとはGoogle翻訳を駆使してコミュニケーション。無料の温泉マップを手作りし、ボランティアで街歩きツアーも開催。単なる入浴を超えた文化体験になります。
詳細を見る→観海寺
2
別府湾を一望するパノラマビューが広がる高台エリア。大型リゾート温泉とレトロな遊園地があります。
棚田を模した段々のインフィニティプールが壮観な大型リゾート
別府を代表する大型リゾートホテル。自慢の「棚湯」は日本の棚田をモチーフにした5段の露天風呂が連なり、別府湾の大パノラマを前に入浴できます。「アクアガーデン」には空と海に溶け込むインフィニティ展望風呂があり、毎晩音楽に合わせた噴水ショーも開催。静かな旅館というよりフルスケールのリゾート体験:温泉に浮き輪、ウォーターパーク、壮大なスペクタクルが楽しめます。
詳細を見る→
(べっぷラクテンチ ぜっけいのゆ)
九州最古の昭和レトロ遊園地にあるパノラマ温泉
1929年開園の九州最古の遊園地で、昭和レトロの宝庫。レトロな乗り物、日本唯一の二重観覧車、木々の間をすり抜けるジェットコースター、アーケードゲームが別府湾を見渡すパノラマ温泉と共存。温泉は入園料に含まれ、30度の急斜面をケーブルカーで登った先に広がります。レトロ遊園地の楽しさと本格的な温泉リラックスが一度に味わえる、唯一無二の体験。
詳細を見る→地区
別府温泉郷内の8地区この温泉地の施設
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近隣の温泉地
50km圏内参考・出典
- 別府八湯温泉道 — 公式ポータルofficial— 別府市観光協会運営。約150の参加施設、スパポート、名人・永世名人までの階級表など。
- 別府八湯温泉まつりofficial— 公式サイト。毎年4月上旬。扇山火まつり、湯ぶっかけまつり、風呂マラソン、別府ソンクラーンなど。
- 別府市 — 公式サイトofficial— 八湯指定の歴史、1911年の日豊本線開通など、市政情報の出典。
- 別府地獄組合 — 公式official— 地獄めぐり七湯。国の名勝指定および『豊後国風土記』言及の出典。
- ツーリズムおおいた — 県観光official— 大分県全般の観光情報。









































































































