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温泉用語

銭湯とスーパー銭湯

街の銭湯と、それを大きくしたスーパー銭湯。言葉の意味から、入り方、ふたつの違いまで。

銭湯せんとう

銭湯とは

銭湯は、入浴料を払って入る街のお風呂屋さんです。入口でお金を払い、体を洗って湯船に浸かり、家に帰る。「銭」はお金、「湯」はお湯のことで、辞書には湯銭(入浴料)を取って一般の人を入浴させる浴場とあります。公衆浴場法のもとでは「一般公衆浴場」という区分にあたり、厚生労働省は地域住民の日常生活において保健衛生上必要な施設と説明しています。

そのため、料金には上限があります。物価統制令(1946年)にもとづいて、一般公衆浴場の入浴料金の上限(統制額)は都道府県知事が決めます。東京都では2026年8月1日から、大人(12歳以上)が550円から600円に上がりました。中人(6歳以上12歳未満)は200円、小人(6歳未満)は100円です。温泉地にある公営の共同浴場も同じ区分に入ることが多く、温泉鬼ではどちらも「公衆浴場」として扱っています。

銭湯という言葉は、お湯の種類を表すものではありません。水道水などを沸かしている銭湯が多い一方で、自前の温泉を持つ銭湯もあります。銭湯であり、同時に温泉でもあるところは少なくありません。

一字ずつ見ると

  1. 銭せんぜに。お金
  2. 湯とうお湯、風呂のこと(訓読みは「ゆ」)

銭湯の歴史

お金を払って入るお風呂の歴史は古く、鎌倉時代末には京都の祇園社の境内に銭湯があったという記録があり、「銭湯」という言葉は1450年の日記にも見えます。江戸については、東京都浴場組合によると、天正19年(1591年)に伊勢与市という人が銭瓶橋(いまの常盤橋付近)のほとりに銭湯をつくったのが始まりです。当時の記録には、湯気と煙で息がつまって物も言えず、目も開けられないとあります。江戸時代後期の文化年間には、江戸に600軒あまりの銭湯があったといわれます。

幕府はたびたび銭湯を取り締まりました。明暦3年(1657年)には湯女風呂を禁じ、男女の入り込み湯(混浴)も寛政の改革や天保の改革で繰り返し禁止されましたが、混浴が実際になくなったのは明治の中頃でした。明治には、湯船の前をふさぐ低い板戸「ざくろ口」も廃止され、天井を高くして湯気抜きを設けた「改良風呂」が評判になります。1923年の関東大震災のあとには、復興に励む人々を元気づけようと、宮大工が銭湯を豪華な宮造りに建てたことが、東京型銭湯の始まりとされています。

東京都内の銭湯は、1968年の2,687軒が戦後最多でした。この年、都内で自宅に風呂がある家は42.2%でしたが、2008年には97.6%になり、銭湯は879軒まで減りました。2022年4月末には476軒、2026年に販売された共通入浴割引券が使えるのは約420軒です。全国では、全国浴場組合の数字で1968年に1万7,999軒あった銭湯が、2026年4月には1,493軒になっています。

銭湯の中

銭湯はそれぞれに違いますが、とくに東京の古い銭湯には共通のつくりがあります。表の通りから湯船まで、順に見ていきましょう。

  • 建物

    東京の銭湯には、入口の上に弓なりの唐破風をのせた宮造りの建物や、高い格天井を持つところが多くあります。昔は高い煙突が目印でしたが、いまは煙突のない銭湯も増えました。入口にはのれんがかかり、男湯と女湯の入口が分かれているのがふつうです。
  • 下足箱

    入口で靴を脱ぎ、下足箱に入れます。鍵は木の札(下足札)のことが多いので、なくさないように持っていきましょう。
  • 番台

    入口に高くつくられた台で、ここに座った人が入浴料を受け取り、脱衣所に目を配ります。いまも番台のある銭湯もあれば、ロビーにフロントを置いたところや、券売機のところもあります。
  • 脱衣所

    たいていはロッカーがあり、鍵は手首につけたまま入浴します。古い銭湯では脱衣かごのところもあり、その場合は貴重品を番台やフロントに預けます。
  • 洗い場

    壁ぞいに洗い場が並び、それぞれに椅子と桶、お湯と水のカランがあって、シャワーや鏡がついていることも多いです。湯船に入る前に、ここに座って体を洗い、流します。
  • ペンキ絵

    東京の銭湯の多くでは、湯船の上の壁に大きな絵が描かれていて、その多くは富士山です。ペンキで描くのでペンキ絵と呼ばれます。始まりは、1912年(大正元年)ごろの神田の銭湯「キカイ湯」とされています。地元の風景やタイル画のところもあります。

温泉の銭湯

銭湯はお風呂屋さんの区分で、お湯の種類ではないので、温泉の銭湯があってもおかしくありません。大田区など東京湾沿いの臨海部には、「黒湯」と呼ばれる淡褐色から黒褐色の温泉が広く分布しています。湧き出すときの温度は25℃以下で、温度ではなく含む成分で温泉にあたります。大田区によると、メタけい酸や炭酸水素塩類(重曹)などを含む、大昔の海水に由来する「化石水」で、古くから銭湯などで使われてきました。

鹿児島市には267の源泉があり、温泉を「マイ銭湯」として毎日使う市民も多くいます。お湯が気になるなら、壁やフロントに掲示されている温泉分析書を見てみましょう。

銭湯のマナー

基本はどのお風呂とも同じです。ここでは、銭湯でとくに気をつけたいことを挙げます。

  • タオルと石けんは持参で

    タオルや石けん、シャンプーが用意されていない銭湯もあるので、持っていきましょう。手ぶらで来ても、たいていの銭湯ではミニ石けんやミニシャンプー、タオルを販売していて、入浴セットを売っているところもあります。
  • サウナは確認を

    東京の銭湯にはサウナのあるところが多く、別料金のこともあります。お金を払うときに聞いてみましょう。
  • 体を洗ってから、まわりに気を配って

    湯船に入る前に体を洗うか、少なくともかけ湯でしっかり流します。シャワーはとなりの人にかからないように、自分のほうに向けて使いましょう。
  • 水でうめる前にひと声

    銭湯のお湯は家のお風呂より熱いことがよくあります。熱いときは短めに。湯船に水を足したいときは、まわりの人にひと声かけてからにしましょう。みんなのお風呂です。
  • タオルと髪は湯船に入れない

    小さなタオルは湯船に入れず、長い髪はまとめてお湯につからないようにします。
  • 体を拭いてから脱衣所へ

    脱衣所に戻る前に、小さなタオルで体と足の裏まで拭き、脱衣所の床を濡らさないようにしましょう。
  • 子ども連れ

    東京都では2022年1月から、7歳以上の子どもは異性の親と一緒に入浴できなくなりました。年齢は都道府県ごとに決められているので、家族旅行のときは確認しておきましょう。
  • タトゥー

    全国浴場組合は2017年に、入れ墨を理由に入浴を断ることはなく、断る貼り紙も推奨していないと答えています。スーパー銭湯はそれぞれ独自のルールがあるので、行く前に確認しましょう。

スーパー銭湯

スーパー銭湯は、銭湯を大きくしたような日帰りの入浴施設です。たくさんの種類のお風呂やサウナ、食事処、湯上がりにくつろげる場所がそろっています。1980年代半ばに生まれ、関西を中心に広まったといわれ、1990年代に脚光を浴びました。公衆浴場法のもとでは一般公衆浴場ではなく、健康ランドなどと同じ「その他の公衆浴場」にあたるため、都道府県の統制額は適用されません。

中身は施設によってさまざまですが、名古屋市守山区の竜泉寺の湯を例にとると、全13種類のお風呂、天然温泉の露天風呂、岩盤浴、食事処、マッサージ、本やマンガのコーナーがあり、朝6時から深夜2時30分まで営業しています。たいていのスーパー銭湯には露天風呂、サウナと水風呂、休憩所があります。

銭湯とスーパー銭湯の違い

どちらもお金を払って入る公衆浴場で、男湯と女湯に分かれ、マナーも同じです。違うのはそれ以外のところです。

  • 料金

    銭湯の料金は都道府県が上限を決めています。東京都は2026年8月から大人600円、宮城県は2025年12月から500円です。スーパー銭湯は料金を施設ごとに決めていて、統制額には縛られません。
  • 広さと設備

    銭湯は男女それぞれにひとつの浴室があり、湯船はいくつか、東京ではサウナのあるところも多くあります。スーパー銭湯には屋内外にたくさんのお風呂、サウナ、岩盤浴、食事処、マッサージ、休憩所がそろっていることが多いです。
  • 過ごし方

    銭湯は、毎日の帰り道に寄るところ。スーパー銭湯は、午後いっぱいや夜までゆっくり過ごせるつくりで、深夜まで営業するところもあります。
  • 来る人

    銭湯の常連は、近所に住む人たちです。スーパー銭湯は家族連れや若い世代に人気があり、郊外にも多くつくられてきました。
  • 温泉かどうか

    名前だけではわかりません。銭湯でも水道水を沸かすところもあれば黒湯の温泉のところもあり、スーパー銭湯でも温泉ではないお湯のところもあれば自前の源泉を持つところもあります。施設ごとのお湯の情報を確かめてください。
  • タトゥー

    全国浴場組合によると、一般公衆浴場である銭湯は入れ墨を理由に入浴を断っていません。スーパー銭湯はそれぞれの判断で、断るところもあります。詳しくはタトゥーのガイドをどうぞ。

入ってみたい銭湯

東京の下町から鹿児島まで、街の銭湯。温泉のところもあります。

公衆浴場1,610か所を地図で見る

入ってみたいスーパー銭湯

東京の郊外から松山まで、大きな日帰り入浴施設。

温浴施設369か所を地図で見る

よくある質問

銭湯は温泉ですか?
温泉のこともあります。銭湯は料金に上限のある公衆浴場の区分で、お湯の種類ではありません。水道水などを沸かす銭湯が多い一方で、東京湾沿いの黒湯の銭湯のように、自前の温泉を持つところもあります。お湯が気になるなら、施設のお湯の情報を確かめてください。
銭湯の料金はいくらですか?
銭湯の料金の上限は都道府県ごとに決まっています。東京都では2026年8月1日から大人600円、中人(6歳以上12歳未満)200円、小人(6歳未満)100円です。サウナやタオルは別料金のこともあります。スーパー銭湯は施設ごとに料金を決めています。
銭湯には何を持っていけばいいですか?
小さなタオル、バスタオル、石けんとシャンプーです。忘れても、たいていの銭湯ではミニ石けんやミニシャンプー、タオルを買えます。
タトゥーがあっても銭湯に入れますか?
たいていは入れます。全国浴場組合は2017年に、入れ墨を理由に入浴を断ることはないと答えています。スーパー銭湯は施設ごとにルールを決めていて、断るところもあるので、事前に確認しましょう。
銭湯とスーパー銭湯の違いは何ですか?
銭湯は都道府県が料金の上限を決めている街のお風呂屋さん、スーパー銭湯はたくさんのお風呂やサウナ、食事処を備え、料金を施設ごとに決める大きな日帰り入浴施設です。どちらも温泉のこともあれば、そうでないこともあります。

次に読む

銭湯を探す

温泉鬼に載っている公衆浴場を、地図ですべて見られます。

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出典

  1. 厚生労働省「公衆浴場法概要」(一般公衆浴場・その他の公衆浴場)公式
  2. 新宿区「公衆浴場について」(令和8年8月1日からの入浴料金)公式
  3. 文京区「公衆浴場事業」(令和8年東京都入浴料金の統制額)公式
  4. 宮城県「公衆浴場入浴料金の統制額の改定について」公式
  5. 東京都生活文化局「都内の公衆浴場数及び入浴料金統制額の推移」(2022年)公式
  6. 練馬区「区内公衆浴場の入浴料金改定のお知らせ」(共通入浴割引券)公式
  7. 東京商工リサーチ「守りたい『街の銭湯』1,493軒」(2026年6月)
  8. 東京都浴場組合「銭湯の歴史」公式
  9. 東京都浴場組合「銭湯の入り方」公式
  10. 東京都浴場組合「銭湯Q&A」公式
  11. コトバンク「銭湯」(デジタル大辞泉・日本国語大辞典・世界大百科事典・日本大百科全書)
  12. コトバンク「番台」(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典)
  13. nippon.com「寛政の改革で混浴禁止に? お江戸銭湯よもやま話」(2021年)
  14. 東京都「東京型銭湯の特徴・現地体験の見どころ」(2025年9月26日 報道発表 別紙)公式
  15. 大田区「大田区の温泉」(区内温泉利用施設一覧表)公式
  16. 鹿児島市温泉ガイド(鹿児島市観光振興課協力、2024年)
  17. J-CAST「えっ、入れ墨OKの入浴施設がある? 銭湯と日帰り温泉ではルール違う」(2017年)
  18. 中小機構 J-Net21「スーパー銭湯」公式
  19. 天空スパヒルズ 竜泉寺の湯 名古屋守山本店